長岡市内で活動する団体を訪問!今回は、中学生に建築の原理を伝えようと活動するプロ集団、NPO法人建築・住教育研究会ー10分の1組立住宅模型を使ったさんからお話を伺いました。
◆どんなことをしている団体ですか?
中高生に住宅の仕組みを体感しながら空間でき方を学んでもらおうと、1/10の建築模型を使った授業やワークショップを行っています。生徒自らが設計し、それをもとに、メンバーお手製のキットになった模型を組み立てていくものです。
◆活動を始めたきっかけ、これまでの歩みを教えてください
2004年に発生した中越大震災で、私たち建築家にできる支援を考えたとき、子どもたちに自分の身は自分自身で守る。そして直せる。そんな力を基礎教養のレベルで身につけてもらいたいという想いに行きつき、スタートしました。
木製の手作り模型を製作し、始めは山古志中学校、そして北中、青葉台と一年ずつ訪問し、その後は高校への出前も実施。活動エリアも市内に留まらず新潟市の高校にも行っています。最近では、小学生を対象にイベント出店もしています。
そんな活動をしながら、2019年3月にNPO法人化し、「NPO法人建築・住教育研究会ー10分の1組立住宅模型を使った」という団体名を付けました。少し長い名前ですが、大きな模型を使い空間を体感しながらの学びを大切にしています。
◆どんなメンバーで活動しているのでしょうか?
建築士の集まりで、建築家や建築環境工学を専門にした大学教員も所属しています。設計や構造、住環境など多要素からなる建築という分野をメンバーそれぞれのプロフェショナルな部分を集め活動に活かしています。
◆周囲の反応や、やっていてよかったこと、大変だったことを教えてください
現在の住宅の多くは室内から柱が見えない構造になっていて、どうやって柱が立っているのか、屋根が支えられているのかわかりません。建築に興味を持つきっかけが少ない現代で、子ども達との授業やワークショップの機会を設け、関心を持ってもらっています。体験を通して、子どもによっては、建築って難しい!と思ったり、意外と簡単!と思う子もいて、関心度合いで反応が違うんです。それぞれの反応を感じながら、建築に触れる機会を作れていることがやりがいです。
◆今後の展望を教えてください
建築は専門教養ではなく、基礎教養だと思っています。単純な構造がわかっていることは自分の身を守ったり、安全な暮らしに繋がります。これからも子どもたちに建築を通した学びを体感しながら提供できるように活動を続けていきたいです。
中学生に建築の原理を伝えようと活動するプロ集団、NPO法人建築・住教育研究会ー10分の1組立住宅模型を使ったさんは、らこって6月号でご紹介しています。