市民活動に取り組む団体には、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ユーモアでみんなを和ませるムードメーカー、ピンチの時には、スポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っていることが多くあります。
それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。
では、実際にどんな人が、どのように活動に関わっているのでしょうか。
活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。
今回ご紹介するのは、地域に誇りを創る控え目だけど熱い会長、笠原真佐雄さんです!
合併しても残せる与板の誇りづくり
ビールでつなぐ地域の魅力
笠原真佐雄さん 〈50歳/自営業〉 中川清兵衛敬慕会、与板地域委員、与板再発見・歴史文化の掘り起こし事業委員会
『日本のビール醸造の父』こと旧与板町出身の中川清兵衛氏を全国に発信する中川清兵衛敬慕会。会長の笠原真佐雄さんが中川清兵衛を熱心にPRする理由は、ビールが好きということだけではありません。
▲信頼できる仲間との楽しいひとときも大事にしている笠原さん。
24歳の時、家業を継ぐため与板に戻った笠原さんは、すぐに商工会青年部に加入。青年部の部長を任された年に中越地震が起こり、ボランティア協力等、人員派遣をお願いされる機会が多く大忙しでした。「まちの人口も店も減少していくばかりで、今後の与板がどうなっていくのかとても不安でした。これからのまちについて考えていかなければと強く感じる1年でした」。
青年部卒業後は、商工会のまちづくり委員会に加入し、防災やまちの整備などに携わりました。そんなあるとき、与板の子どもたちが「与板の自慢は大判焼き」と言っていることを知り、長岡市と合併しても残したい与板の誇りとは何か、委員会メンバーで考えるようになり、着目したのが、中川清兵衛生誕の地であること。生誕碑を設置した平成12年に第1回ビールフェスタを開催し、与板とビールのつながりを強めていきました。「与板☆中川清兵衛記念BBQビール園」の設立に伴い、本格的に中川清兵衛をPRできるよう「中川清兵衛敬慕会」を立ち上げ。パンフレット等の作成やまち歩きイベントの企画などを行い、与板を盛り上げています。「たくさんの方に与板の魅力を知ってほしいですが、押し付けたりすることなく、来てくれた人が与板に来て良かったと思ってもらえることが一番大事だと思っています」。
今後は市外県外にも積極的にPR活動を展開していくとのこと。「与板の誇りは中川清兵衛」と言われる日も遠くないでしょう。
▲中川清兵衛の認知度向上のため、パンフレットとコースターの配布活動にも熱心に取り組む。
▲左下:与板の商店街にある記念碑。イベントの前には記念碑の清掃も行っています。