市民活動に取り組む団体は、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ピンチの時にはスポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っています。それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。では、実際にどんな人がどのように活動に関わっているのでしょうか。活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。
今回ご紹介するのは、“行動力で地域を引っ張るリーダー”関口和幸さんです!
関口和幸(せきぐちかずゆき)さん
自営業/中之島ふるさと創生基金事業実行委員会
1975年長岡市中之島生まれ。中之島ふるさと創生基金実行委員会のほか、中之島夏まつり実行委員会など各方面で活躍している。
人のつながりを大切に みんなでつくる活動で地域に希望の光を灯す! | 関口和幸さん
「実家が建設業をやっていたことで、子どもの頃から家に人が出入りするのが当たり前でした」と、人とのつながりが日常的だった関口和幸さん。地域と関り始めたのは2004年新潟・福島豪雨の7.13水害でのボランティアでした。「自宅も被災した中、地域の人が片づけを手伝ってくれた。地域の人の温かさを感じました」。
水害の復旧が進む中、特に感じたのが落ち込んでいる子どもが多かったこと。そこで関口さんは除去に苦しんだ泥を楽しむ「どろんこ祭り」を開催しました。「子ども達の笑顔を見ると、辛い経験を楽しい経験へ塗り替えることができたと思いました」。
2019年から中之島地域ふるさと創生基金実行委員会の委員長となり、若者定住事業を引き継ぎました。まずは中之島に住む若者が集まり、一緒にイベントを企画するテーマ別の交流会を実施。親睦を深めた後のワークショップでは活発な意見交換ができたそうです。「私も知らなかった地域の魅力や中之島をよくするアイデアを多く集めることができました」。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で予定はすべて白紙に。そんな中でも希望の光を灯したいと、2020年10月にライトアップ事業を実施しました。みんなでイベントを作るため、参加者が自分のやりたい役割を選び、会場の準備から点灯までを一日で終えられるスケジュールを組んだそうです。「点灯した瞬間の子ども達のきらきらした笑顔や大人の充実した表情を見ると、少しは希望の光になれたのかなと思いました」。
今後の目標は新たな灯を絶やさないように若者の地域参加を促すこと。「今いる子ども達が地元を愛せるように、親にも地域を愛してほしい。そのためにみんなで地域の魅力を再発見し、多くの人が地域に関わってもらいたいです」。関口さんの人のつながりを大切にする活動で、地域の輪が広がっていくでしょう。
本記事は、らこって2021年2月号でご紹介しています。