地域をよくするウワサのあの人にインタビュー!毎月、市民活動に取り組むプレイヤーをご紹介。活動に関わったきっかけや、どんな役目を果たしているのか伺う中で、活動への多様な関わり方が見えてきました。
人をつなげるものづくり
やってみたいから始まる活動
松田 義太郎さん
81歳/自営業
1940年生まれ長岡市山古志出身。農場、養鯉業、雪下ろし、手仕事屋など四季に合わせて山古志地域の暮らしを体現している。
80歳を超えた今でも現役で農業、養鯉業、雪下ろしなどをこなす松田義太郎さんは、わら細工でつくる猫ちぐらや鍋敷き、菅笠(すげがさ)づくりを教える先生です。そんな松田さんが住民向けの教室を始めたきっかけは約30年前に手がけた公民館活動のパソコン教室でした。当時近隣ではなかった先進的な企画で参加者が殺到。「初めて考えた企画で多くの人を集められたことで、地域で何かやることの手ごたえをつかめた。人がやっていないことを地域で実践することにやりがいを感じました」。
その後もさまざまな企画をしてきた松田さんが感じたのが、高齢者世代の参加が少ないこと。高齢者が家に引きこもらず、ボケ防止にもなる手毬の工作教室を約20年前に開催。作品を診療所に展示してもらうこともあったそうです。「みんなで集まって楽しく手仕事をすることで、人のつながりを生むことができて良かったです」。
手毬教室を通じてものを作る楽しさに目覚めた松田さんは、人が作っていないものを販売したいと70歳を超えて猫ちぐらづくりにチャレンジ。地域で販売し始めたところ、制作したものはその年のうちに完売するほど好評でした。人気の猫ちぐら職人になった松田さんへ2019年におらたるカルチャー教室の講師依頼があり今度は教室の先生に。最初は自分のような職人を育てようと教えていましたが、参加者からは使えるものづくりができれば良いと温度差を感じることもあったそうです。「技術は教えつつ、参加者と一緒にものづくりを楽しむことにシフトチェンジしたことで、自分も楽しく続けられています」。
2022年からはより実用的なものを自分で作る楽しさを伝えようと、鍋敷きや菅笠の教室を開催。「習いたい人がいる限りは続けていきたい。私から習った人が人に教えることで、活動に広がりを持たせることが今後の目標です」。何歳になっても常に新しいことにチャレンジする松田さんの活動が今後も続いていきます。
本記事は、らこって2022年2月号でご紹介しています。