市民活動に取り組む団体には、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ユーモアでみんなを和ませるムードメーカー、ピンチの時には、スポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っていることが多くあります。
それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。
では、実際にどんな人が、どのように活動に関わっているのでしょうか。
活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。
今回ご紹介するのは、ロボット工作を通して子どもの将来を拓くまちの先生、櫻井浩一さんです!
やってみないと分からない!
市民活動で得た学びを子どもたちにも伝えたくて
櫻井浩一〈50歳/会社員〉 NPOトキめきラボ
「NPOトキめきラボ」の一員として、小学生向けロボット工作教室やロボット大会の運営補助活動に取り組む櫻井さん。趣味のロボットアニメ鑑賞がきっかけで、誘いを受けて活動を手伝うようになりました。「ロボットはつくるより観る方が好きだったんだけど…」と当初は戸惑いながらも活動に顔を出すにつれ、次第にのめり込むように。「勝つために工夫を凝らしたロボットにはいつも『よく考えたなあ』と感心させられます」。
▲仕事後や休日に小学校へ工作の補助に出向くことが何よりの楽しみ。
自身を“根っからの人見知り”だと言う櫻井さんは、就職を機に長岡で暮らし始めても、なかなか交友の輪を広げられずにいました。しかし、活動を始めて以来、ロボット工作を通じて様々な人と知り合うように。「普段の仕事や生活だけでは交わるはずのない方々と出会えることは貴重です。まるでその人を通して自分の中の世界が広がるような感覚」と話されますが、実は初対面のコミュニケーションは今も得意ではないそう。それでも最近は「自分にとって何が楽しいか、何がいい経験となるかはやってみないと分からない。何事もまずはチャレンジ!」と舞い込んできた話は積極的に乗るようにしています。
▲大学生の頃(写真左)。没頭していた趣味を通して様々な人と出会い、知見が広がったのだとか。人見知りである一方で、好奇心旺盛なのはそのころから変わりません。
そんな櫻井さんが活動を通して、特に気を付けているのは「子どもの自主性を促す」ということ。「大人が手取り足取り手伝う方が完成は早いですが、それでは誰が作ったか分かりません。子どもたちが『自分で作った』という意識が大切。その積み重ねが次もやってみようという、子どものチャレンジ精神を育むのだと思います」。自分自身が市民活動を通して感じた何事もやってみる姿勢の大切さを、今度は子どもたちにもロボット工作を通して感じて欲しいと願う櫻井さんの挑戦はこれからも続きます。
▲市民活動団体のお祭り「市民活動フェスタ」の実行委員としても活躍。「裏方として表舞台を支えることにはやりがいを感じますし、性に合っているのかも」