健康寿命を延ばそう
長岡の人生100年時代を支える活動
今、私たちのまちが抱えている様々な課題に、それぞれの特性を活かして向き合い続けている市民活動団体をご紹介 します。今月のテーマは、「健康寿命を延ばそう」。人生100年時代と言われている昨今、年齢を重ねても活動的な毎日を送るためには、体と脳を鍛え、健康寿命を延ばすことが大切です。長岡市には、シニア世代が体と脳を楽しく鍛えている活動があります。
「健康寿命」という言葉を聞いたことがありますか?それは、要介護や寝たきりになることなく、自立して生活できる平 均年齢のこと。日本の健康寿命、女性は74.79 歳、男性は72.14歳※で、平均寿命(女性87.14 歳、男性80.98歳※)との差を縮めることが、元 気で活動的な毎日を過ごすためには欠かせません。ちなみに、健康を損なう2大要因は「運動器障害」と「認知症」だと言われており、体と脳の両方を鍛えることが大切です。そこで、 今月号では、シニア世代が楽しく体と脳を鍛えている活動をご紹介します。
メンバーの平均年齢は約60歳、最高齢は何と90代!という「長岡ランナーズ」は、初心者からベテランまで誰でも参加できるランニングコミュニティです。毎週日曜日の「おはようマラソン」では、朝6時に千秋が原に集まった団体メンバーと参加者が、長岡大橋から長生橋を回る約7kmのコースをそれぞれの走力に合わせて走っています。参加者の年齢やスポーツ経験は様々で、中には60歳の定年後から参加し始めた方も。「みんなで走ることで、自分より年上の人が元気に走っている姿に刺激を受け、自分自身も元気でいようと思える」と、メンバーの方は言います。実際に、日頃のランニングの賜物な のか、長岡ランナーズのメンバーは大きな病気にかかることがあまりなく、「生涯現役」の方が多いそう。ランニングだけではなく、参加することによって生まれる人とのつながりも、健康増進に一役買っているのかもしれませんね。
続いてご紹介するのは、「みんなの認知症予防ゲームあおーねの会」。「みんなの認知症予防ゲーム」とは、誰でも楽しく参加できて、脳や 体に効果的に刺激を与えることのできる20のゲームのこと。あおーねの会では、このゲームを活用した脳活性化教室や、ゲームを進行する人を育てるリーダー養成講座を行っています。4月にさいわいプラザで開催した教室は、20人を超える大盛況。自己紹介から始まり、手指を動かす ゲームやリズムに合わせて2種類の太鼓を叩き分けるゲームなどが行われましたが、印象的なのは、終始和気あいあいとした雰囲気で、参加者の笑顔が絶えないこと。「間違えても、ほめてもらえるのはここだけ」と安心して参加される方が多く、最初は緊張していた方も、教室の終了後には表情が和らぎ笑顔で帰って行くそうです。この積み重ねが参加者の自信となり、楽しく元気に毎日を過ごす糧になっているのかもしれません。
少子高齢社会と言われる今、行政サービス だけでシニア世代の健康を支えるのは難しく、ここで紹介したような市民による自発的な活動の重要性が増してきています。年をとることは、このまちに住む全員に共通して起こること。何歳になっても元気に活動的に暮らせるまちを、私たちみんなの手でつくっていきたいですね。
メンバー&参加者の声
※厚生労働省 「令和2年度版 厚生労働白書ー令和時代の社会保障と働き方を考えるー」より
本記事は、らこって2021年6月号でご紹介しています。