活動レポート REPORT

更新日:2017.11.24

【開催報告】未来をつくろう「グリーンズ」に学ぶソーシャルデザインのいろは

11月16日(木)に【未来をつくろう「グリーンズ」に学ぶソーシャルデザインのいろは】と題して、講師を招いての基調講演と長岡で活躍する3名をパネラーに迎えたパネルディスカッションを開催しました。

基調講演の講師は、NPO法人グリーンズの鈴木代表理事。日本中に、「ほしい未来は、つくる」人を増やすこと“をミッションに掲げ、全国の持続可能な社会に関わる活動を紹介するWEBメディアgreenz.jpを運営しています。

まず、基調講演の中で鈴木さんからは、「ソーシャルデザインの解釈は一つではないが、『自分と仲間がより良く生きるためのデザイン』だと思う。人と人との関係の中に幸せはあるもので、自分だけが生きやすいのではなく、そこに仲間の生きやすさが加わっていることが大切」。といったお話しがありました。

そして個人が取り組むソーシャルデザインの事例と、地域で取り組む事例をご紹介いただきました。個人の活動は自由度が高くいい面もあるが、続けていくことが難しくなる場面も出てくる。地域で取り組むことは、みんなで補いあえることも多く、気軽に関わり始めることができるそう。

一歩踏み出すポイントは、

  • 本当に好きなことをマイプロジェクトにしよう!
  • 人のマイプロジェクトを応援しよう!
  • 活かしあう関係をつくろう!

ポイントに加えて、人と集い、話をする場があれば、困りごとやできることを共有でき、意外と簡単に課題が解決することもある。自分は今どんなサポートを必要としているのか明確にしておくことも大事ですよ。というお話もありました。

鈴木さんが好きな言葉も教えてもらいました。

「ラダー(はしご)になろう。リーダーではなく」

これは、人を支え人の架け橋になれる人になろう、ということ。お話しくださった鈴木さんもまた、ラダーのような方でした。

後半のパネルディスカッションでは、長岡で活動する3名のパネラーを迎え、長岡のソーシャルデザインを深堀り。地域資源×ローカルビジネス、商店街×遊び、学び×福祉、目的もアプローチも異なる3者の歩みをご紹介いただき、これまでのエピソードなどをお話しいただきました。

NPO法人学びスペースあうるの森 山田竹紘さん 【学び×福祉】

高校時代にドイツへ1年間留学したことで、日本との教育環境の違いを身をもって知ったそう。研究者を目指したこともありましたが、現場をフィールドにしようと起業を決め、長岡へUターン。需要があること、参入者がまだ少ないことなど、一歩踏み出す前には現実的なこともよく考えたそう。そして実際にスタートしてみると、イメージとのギャップもあったと言います。あまり型にはまりすぎず、求められることと、提供できることとを照らし合わせながら柔軟に事業を展開しています。

 

有限会社カクタ田中清助商店 田中洋介さん 【商店街×遊び】

多くのボランティアと共にイベントを運営している田中さん。様々な人が関わってくれるだけに、意識の違いを感じる場面もあるそう。そこで田中さんから鈴木さんに、「ボランティアには、どこまで求めていいものでしょうか?」という質問がありました。

鈴木さんは、「期待はしない。やってくれるならやってもらうというスタンスです。でも、それぞれがボランティアとして関わることで、得たいことが違うので、どんな喜びを感じたくて関わっているのか話しながらモチベーションにつなげられたらいいなと思っています」と、ボランティアとの間で大事にしている関わり方を教えてくれました。

 

株式会社FARM8 樺沢敦さん 【地域資源×ローカルビジネス】

クラウドファンディングにも積極的にチャレンジしている樺沢さん。「10回バットを振って、1回ヒットがあればいい!もはや、どう失敗するかが大事で、行動することからしか始まらない」。樺沢さんの説得力ある言葉に、会場も盛り上がりました。また、土が残せれば、野菜が作れる。0から1を生み出し続けられる。この長岡の資源を循環させながらつないでいきたいという思いが樺沢さんの原動力です。

 

パネルディスカッションでは、始めからうまくやろうとか、形にしようと意気込むよりも、失敗して当然、とにかくは今の現状から手を付けられるところをやってみることが一番!という話がありました。

最後に鈴木さんからは、大切なのは、今踏み出す一歩に未来の可能性がどのくらいあるか、未来にどうつながる行動なのか考えてほしいといった言葉が。自分の暮らしに自覚を持って日々を過ごすことが、何よりも大きな一歩なのだとも思いました。

 

基調講演&パネルディスカッションの終了後、参加者のみなさんから、自分がやりたいことや、応援コメントなどを書いてらいました。


【やりたいこと】
・ホームステイ、農家民宿をやってみたい 
・地域ならではの体験+ツアーをやりたい

【協力したいこと】
・もっと地元にお金を落としたいと思います 
・お店、行きます!

【応援コメント】
・一緒に地域の宝を探して、商品開発してみたいです 
・「2回想像する」ことをしていきたいと思いました。なんだか楽しく暮らしていける気がしています。ありがとうございました!「3年後、5年後必要だ!と言ってくれる人がいると信じている」信じられることをしていきたいなと思います。 
など

 


【やりたいこと】
・こども商店 
・雁木下プランター農園プロジェクト 
・障がいのある子どもの就労体験ぷれジョブを商店街で受け入れてもらえると地域も変わるかも

【協力したいこと】
・イベントの告知のお手伝いができます 
・何かイベントがあったらDJやります!! 
・キャンドルナイト行きます!

【応援コメント】
・商店街って、その地域にあまり関りのない人にとって行きづらい、、、 ”遊び”がそのきっかになれば! 
など

 


【やりたいこと】
・おじいちゃん先生、おばあちゃん先生 
・あうるの子どもたちを町へつれだしたり、一緒にたべたりつくったり描いたりしたいです、、、!

【協力したいこと】
・みんなに「こういうのあるよ」って言う 
・FBでシェアします!

【応援コメント】
・ちょっとまずはその場にいてみたいです! 
・発達分野に興味あり勉強します 
・不登校の子や子どもたちが安心していれる居場所をつくられている方がいてくださることは非常に重要なことだと思います。応援しています!がんばってください! 
など

 


【やりたいこと】
・長岡の地元の人と長岡に住む外国人のための部活動 
・若年性認知症の人と×仕事、役割を 
・ゲストハウスを作りたい!!

【応援コメント】
・価値観の上に仕組みがある社会はとてもワクワクするし、そういうそれぞれの価値観を大切にしたいと思いました! 
・鈴木さんがおっしゃっていた「皆を幸せにするシステム」が心に残りました。ほんの少し前は、このシステムの中で暮らしていたのですよね。良いことは守っていきたいです。新潟市からの参加でしたが、「長岡ってすごいなぁ」と感心しました。
など

 

一枚一枚のフセンから、会場のみなさんのまちをつくっていく熱意を感じ、主催側として思いがけずお土産をもらった気持ちです。また、やりたいことを掲げ、実践する人も多くいますが、そんな人たちを応援したいという人もたくさんいます。まちに応援団がいることの心強さを改めて実感する機会となりました。

鈴木さんからのお話しも、パネラー3名からのお話しも、背中を押してくれる言葉が多く、勇気づけられた方も多かったのではないかと思います。周囲を巻き込んだり、巻き込まれたりしながら、自分たちの行動でまちをつくっていきたいですね。