「指示、管理、命令」
親として、自分の所に生まれてきてくれた我が子に“躾”と称して様々なことを言うのは当然のことだと思います。
ただそれが、子供にのし掛かり負担になり潰れてしまいそうになるまで、親は気付かずにやってしまっていることもあるのです。
健康で強い心を持った子供は、その言葉を跳ね返す力を持っています。
心配なのは、跳ね返す力を持たない、持てない状況にある子供達なのです。
そんな子供達にとって、親に言われる言葉は「指示」「管理」「命令」にしかなりません……
一例をあげてみましょう
一緒に洋服を買いに行った親子の会話です。
母 「今日はあなたの好きな服を買ってあげるよ」
娘 「嬉しい。どんなのにしようかな」
娘 「これがいいな」
母 「あら、それ?その色の服、持ってたでしょ!」
娘 「…………」
母 「こっちの色がいいよ」~指示
娘 「でもこっちがいいな」
母 「同じ色ばかりで、タンスの中がみんな一緒だよ!」~管理
娘 「でもデザインが違うもん」
母 「デザインよりも違う色を選ぶべきだよ!こっちの服にしなさい!」~命令
娘 「…………」
娘 「じゃあ(お母さんの言う通り)こっちにする」
何気ない会話ですが、日常の様々な場面においてこんなことがありませんか?
お母さんは知らず知らずのうちに、子供の気持ちを圧し潰しているのです。
摂食障害になる子供は指示、管理、命令されながら育つうちに(親は勿論そんな意識はありません)自分がどうしたいか、どんな気持ちがあるのかさえ分からなくなってきています。
そして、思春期を迎える頃、自分の心の奥底にあるものが噴出してきて、それをどう処理していいか分からずに(処理できずに)過食や拒食という症状を出すのです。
ただ単に症状があるわけではないのです。
その裏に隠された心の叫びがあるのです。