活動レポート REPORT

更新日:2020.02.10

摂食障害親の会・向日葵の会

「娘の摂食障害を通して」

お母さんは子供が生まれて一生懸命に子育てに励みます。
たっぷりの愛情と手間ひまをかけて育てます。
赤ちゃんの世話をして養育していくのです。
それが「育児」です。
では親として初めてスタートしたお母さん自身のことを思ってみましょう。
親も赤ちゃんも初めて一緒にスタートなのに、親は当然わかるもの、正しいことをするもの、きちんと何をもできていて当たり前という思いにとらわれていないでしょうか?
ここで気付いてほしいのが、親も子も同時にスタートしているのです。
親は親をスタートし、子は子をスタートしているのです。
親も何もかもが初めてですから分からなくて当然なのです。
「育児」は「育自」とも置き換えられると思います。
親も子育てを通して、自分自身を育てていくのです。
摂食障害のお子さんをお持ちのお母さんは、何事につけても真面目で几帳面で、一生懸命に生きてこられた方がほとんどです。世間体や世間一般常識を気にされて、みんなに合わせよう、自分は黙っても皆の和を大切にしよう。とされる方が大多数です。
そんな中で、ある日突然子供が摂食障害になり、お母さん自身も当惑し苦しみ、辛く切ない中に入っていきます。
「私の育て方が悪かった。私の子供への接し方が悪かった」と自分を責める方もほとんどです。
でも、会でいつもお話しさせてもらうのは、「お母さんが一生懸命に子供に接してきたこと、関わってきたことに間違いはないはずです。一生懸命にやってきた事実に間違っていたということは1つもありません」ということです。
子供が摂食障害になった時に、オギャーと生まれたと思って欲しいのです。
そこから新たにスタートを切って、今度は「育児」よりも「育自」に視点を置いて、お母さん自身の気持ちを見つめてみて欲しいと思います。
お母さん自身も日常に起こる事柄を通して、自分はどうしたいのか?どういう気持ちがあるのか?どう感じて考えているのか?しっかりと自分を見つめるチャンスがスタートしているのです。

摂食障害になりながら、娘が必死で訴えてくれているメッセージにしっかり取り組んでいかれると、お母さんもご自分のことを見つめていくことになります。

自然とお母さん自身も様々のことに気付き変化されていくと、その空気は自然に病んでいる娘へと伝わっていきます。そうなってくると娘にも少しずつ何かが変化してきます。