大学生の皆さん、就職活動や作品制作、あるいは人間関係に悩みを抱えてはいませんか?
6/27(金)に、長岡市内にある公立大学である長岡造形大学の学生向けに学校生活にも役立つ市民活動の説明をしてきました。
今回の記事では、当日お話しした内容をまとめました。
プレゼン内容を見返すと、長岡造形大学に通う学生だけでなく、多くの学生にとって関心の持てる内容となっていることに気づきました。
大学生、特に専門的なことを学ぶ学生に読んで欲しい内容です。
皆さんの学生生活をより充実させるヒントをお届けします。
市民活動って何?
市民活動とは、地域や社会をより良くするために、自発的に取り組む非営利的な活動のことです。一人ひとりが持つ小さな力を出し合い、身の回りにある問題を解決していくことが特徴で、ボランティアやNPO活動もこれに含まれます。その幅は非常に広く、趣味のような活動から社会課題の解決を目指すものまで多岐にわたります。例えば、ハンドベルやマジックで楽しんだり、ベトナム文化の紹介、劇団、さらには子ども食堂のような取り組みも市民活動の一つです。
ながおか市民協働センターは、そんな市民活動の活動を支えています。
あなたの悩み、市民活動で解決できるかも!
学生の皆さんが抱えがちなリアルな悩みの解決方法の一つに市民活動があります。
自己PRに自信がない(就職活動の悩み)
面接で話す時の自己PRが見つからない、「周りと比べてしまって、自分の強みを見つけられない」と思ったことはないでしょうか?
このような就職活動の悩みは、多くの学生が抱えています。
実は、企業が働く中で大切だと考えているのは「コミュニケーション力」や「助け合いの意識」などチームで目的のために動く力であり、専門性よりも人柄が重視される傾向もあります。
アルバイトも社会経験の手段ですが、指示された業務をこなすだけになったり、時給や場所で選ぶことも多いため必ずしも自分が好きなことができるわけではありません。そのため自己PRのエピソードとして深みに欠けることもあります。
またサークル活動では自分の好きなことができますが、同世代とのコミュニケーションが主になってきます。
しかし、市民活動では、自分の好きなことや趣味から活動を選べるため意欲的に取り組めます。
また、チームで目標に向かって動く中で、企画、ゲスト交渉、スケジュール管理、演出など、学校ではなかなか経験できない多様なスキルが身につきます。さらに、地域の人々は学生の参加を心から喜び、「やってみたい」という意欲を尊重してくれるため、主体的なチャレンジの機会に恵まれます。これにより、多世代とのコミュニケーション能力も向上し、多種多様な自己PRのネタを蓄積できるでしょう。大学のサークル活動と比べても、市民活動は関わる人の幅が広く、より多様な経験を積むことができます。
アイデアが出ない、自信が持てない(学校生活・作品制作の悩み)
「作品制作のアイデアが思いつかない」
「周りがすごい人ばかりで、自分のデザイン能力に不安がある」
「作った作品が世の中に受け入れられるか不安」
美大生や専門分野の学生が抱えがちなこれらの悩みも、市民活動が解決の糸口になります。市民活動の現場では、デザインの専門家ではない多様な人々から、気兼ねないリアルなフィードバックを得ることができます。これにより、「チラシが作れるのすごい!」「イラスト描けるんだ!」といった、純粋な称賛を受ける経験が多く得られ、自己肯定感の向上につながります。
また、作品制作におけるアンケート調査も、市民活動の場ではよりリアルに行えます。例えば、子ども向けのおもちゃを作る際、学校内に子どもがいないためリアルな意見が得られませんが、子ども食堂などで直接アンケートを取れば、言葉にならない反応からも価値あるフィードバックが得られます。さらに、さまざまな業種の人々と出会うことで、思わぬ専門的な意見をもらえる可能性もあります。
また普段学んでいるデザインや作品の見方を変えることも提案しました。
市民活動は、「世の中で受け入れられる」ような普遍的なデザインだけでなく、特定のコミュニティの中で人々を楽しませる「身近なデザイン」の重要性を教えてくれます。子供が書いた「ご自由にお持ちください」の文字が、そのコミュニティでは宝物のように愛されるように、プロセスや関係性まで含めたデザインの力を発揮できる場が市民活動にはあります。これは、SNS社会で「すごい評価」ばかりを追い求めがちな学生にとって、自分の作品や活動、ひいては自分自身の価値を再確認する貴重な機会となるでしょう。
信頼できる知り合いがいない(人間関係の悩み)
学内では同世代の知り合いが主で多世代と知り合うことは難しいです。また長岡造形大学は県外からの学生が8割で越してきたときに地域の中では知り合いがいない状況です。
長岡造形大学の学生の8割は県外出身であるため、地域に知り合いがいないという不安は大きいでしょう。しかし、市民活動は、こうした地域とのつながりを作る上で非常に効果的です。市民活動に参加することで、様々な世代、業種、分野の人々と出会い、顔見知りや信頼できる知り合いが増えるチャンスが格段に増えます。
市民活動は、家でも職場(学校)でもない「サードプレイス」としての機能も果たします。ここでは、同じ趣味を持つ仲間や、地域課題解決を目指す中で「頼り、頼られる」関係性が自然と生まれます。普段の生活では人に助けを求めたり、助けたりする機会は少ないかもしれませんが、市民活動では共通の目標に向かう中で、役割が与えられ、「自分はここにいていいんだ」という存在意義を感じることができます。これにより、心理的なストレスが軽減され、人生を豊かにする人間関係のセーフティーネットとなるのです。災害時など、いざという時に助け合える関係性も地域の中に築けるでしょう。
市民活動を始めてみよう!どうすればいい?
市民活動を始めるきっかけは人それぞれです。知り合いが活動しているから、自分の趣味や好きなことから、あるいは解決したい問題があるから、といった様々な入り方があります。
市民活動は、あなたの人生の「保険」になる
市民活動センターは、長岡に限らず全国各地に存在します。学生のうちに市民活動という選択肢を知っておくことは、将来引っ越した時、就職で県外に出た時、子育てや仕事で悩んだ時など、人生の様々な局面で自分を守る「セーフティネット」になります。困った時に、お金を払うサービスや行政だけでなく、「別の場所」に頼る先があることを知っているだけで、気持ちがとても楽になるでしょう。
人間関係の作り方を学ぶ機会は意外と少ないものですが、市民活動を通じて、助け合い、頼り、頼られる関係性を築く経験は、かけがえのない財産になります。それは、お金を稼ぐ力とは異なるけれど、あなたの暮らしを豊かにし、具体的な何かを実現する力となります。
さあ、あなたも一歩踏み出して、市民活動の世界を体験してみませんか? あなたの学生生活、そして未来の人生が、より豊かで充実したものになるはずです。