長岡市内でSDGsに取り組む方たちを訪問!
今回は「NPO法人関原里山・ぬかやま会」さんにお話を伺いました。
貴団体の概要を教えてください。
長岡市西部丘陵東地区一帯(ぬか山)の里山整備、植樹・育樹、自然観察会や里山学習会を開催している団体です。
2000年4月1日に設立し、2004年7月現在では150の個人と企業が参加しています。
取り組んでいるSDGsの目標と、取り組みの内容を教えてください。
4. 質の高い教育をみんなに(4.1、4.7)
関原小学校4年生の総合学習の場として、ぬか山探検年4回、四季を通じてぬか山に入り、動植物を観察し、季節の変化・命の多様性・たくましさを学んでいます。
6. 安全な水とトイレを世界中に(6.3、6.4、6.8)
里山は腐葉土が堆積していて、大雨の時は水をため込む作用がある。森林を整備して有害な不法投棄等をなくし、安全な水の確保に努めています。
11. 住み続けられるまちづくりを(11.4、11.7)
関原町近隣地域の住民の憩いの場、ここに暮らす人々の心の支えとなるよう里山環境の保全と利用のための森林整備(下草刈り、徐間伐採、植樹、散策道整備など)を行っています。
15. 陸の豊かさも守ろう(15.1、15.4)
スペースネオトピアの予定地だった土地約200haのおよそ1/4を自然のまま残し、ぬかやま会が中心に手入れをしています。ぬか山では、出来る限り自然由来の動植物の環境を維持し、守っています。
取り組みを始めたきっかけと、これまでの経緯を教えてください。
長岡市西部丘陵東地区(通称ぬか山)は、「長岡ニュータウン東住区」として用地買収されましたが、事業縮小により放置されました。
次に「スペースネオトピア」として事業が着手されましたが、バブル崩壊により破綻し、再び放置されました。
その結果、赤土と化し、一部の里山が残されることとなりました。
「自然の里山を守ろう」――これが「里山・ぬかやま会」の原点です。
- 1996年11月 (株)スペースネオトピアがテーマパーク事業を断念しました。
- 2000年4月1日 「里山・ぬかやま会」を発足しました。5月には、県立歴史博物館の8月オープンを控え、道路向かいの斜面に「ふるさとの森」植樹事業が計画されました。関原地区住民135名が参加し、350本の苗木を植えました。
- 2002年5月 関原地区連合町内会、「里山・ぬかやま会」、関原花いっぱい運動推進協議会、その他多数の協力団体により、「ふるさとの森」隣接地に花壇を作り、花を植えました。
- 2003年 花いっぱい運動推進協議会の支援を受け、関原中学校の生徒25名とともに花を植えました。また、この年から関原地区連合町内会より「里山・ぬかやま会」に予算を付けていただき、会の活動が活発化しました。
- 2004年~ 本格的に散策道の整備(下草刈り、除伐採、植樹等)を開始しました。
- 2008年5月 長岡市長宛てに、ぬか山一帯の里山保全活動についての要望書を提出しました。
- 2009年4月 再度、市長森民夫氏宛てに要望書を提出し、初めて市から予算を付けていただきました。市の農林整備課より里山保全活動の許可を得て、作業拠点・休憩所としての「あずま屋」を除伐材で建設しました。
- 2010年~ 里山保全活動として、散策道・林間の整備、77号沿道・花壇の除草、里山自然観察会(春・秋)の開催、関原小学校4年生の里山探検支援などの活動が定着しました。
- 2011年5月2日 「里山・ぬかやま会」を法人化し、「NPO法人関原里山・ぬかやま会」に名称を変更しました。この年から散策道の急こう配の緩和作業、新道の改良整備、植樹を開始しました。オオヤマザクラ、ヤマモミジ、コブシ、ヤマボウシ、シバグリなどが植樹されました。
- 2014年11月 新潟県環境賞(一般の部)を受賞し、表彰を受けました。
- 2015年~2024年 「緑の募金」、「山口育英奨学会」、「市民の森づくり」などの助成金、また里山・ぬかやま会の個人会員、企業会員の寄付金等により、毎年植樹・植栽を実施しています。ユキツバキ、コナラ、ソメイヨシノ、クヌギ、ハナモモ、百日草、雪割草などが植えられました。
- 2024年10月 77号沿道の桜並木(全長400メートル・50本)の植樹がようやく完成しました。
周囲の反応や、取り組んでいてよかったことまたは大変だったことを教えてください。
- 地域住民参加の自然観察会や植樹、花いっぱい運動の植栽などの活動を通して、住民同士の交流が継続して図られました。
- 青少年(関原小学校4年生)の里山学習支援を通じて、里山の動植物に直接触れ、楽しく学びながら喜んでもらうことができました。また、里山をガイドしたぬかやま会の会員に対して、生徒たちから感謝の言葉や挨拶をしてもらえるようになりました。
- 関原コミュニティセンター主催の文化祭に「ぬかやま汁」(豚汁)の屋台を出店し、地域住民との交流の場となるとともに、会の良いPRにもなっています。
- ぬか山では四季折々の木々や植物の花が美しく咲いており、散策する人が増えてきています。
- 里山の散策道の整備や森林整備などの作業は、ほぼ土木工事と同じく力のいる作業であり、大変な仕事です。特に夏の暑い時期は草刈り作業とともに、非常に困難な作業となります。
- また、雪解けの春には、散策道の整備も大変です。雪の重みで折れた木々の枝や倒木の除去などの片付けには、何日もかかります。
貴団体の取り組みを通して、2030年にどのような社会をつくりたいですか。
里山をできる限り自然由来の動植物の環境とその生態系を維持し、地域住民がいつでも訪れることができる憩いの場にしたいと考えています。
また、里山の自然環境を守り、後世に残したいと願う人が増える社会になってほしいと考えています。(SDGsの具体的目標の達成に向けて取り組む社会)
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ぜひご視聴ください。