市民活動団体は、法人格を取得することで、より活動しやすくなることもあります。
最近では、「ソーシャル・ビジネス」として株式会社が社会課題に取り組む例も増えています。今回は、NPO法人と株式会社の違いをご紹介します。
NPO法人と株式会社
NPO法人は、社会課題に対処するための法人格です。公益性を重視し、税制上の優遇措置があるなど、社会的信頼を得やすい利点があります。運営資金は主に寄付や助成金、事業委託費などでまかなわれます。一方、株式会社は利益を追求する法人格で、社会課題にも商品やサービス提供を通じて取り組み、事業拡大や雇用の促進を目指します。
活動分野の収益性から考える
一般的に、「NPO法人=ボランティア」といったイメージがあり、十分な対価を受けることが難しいケースもあります。そのため、解決したい社会課題が収益性の高い分野であれば、株式会社が有利です。株式会社は対価を求めることが一般的で、収益性に基づき出資や借り入れなどの資金調達も可能です。一方、NPO法人は収益性の低い分野でもボランティアや寄付などで持続可能な活動ができます。
活動する仲間から考える
NPO法人はボランティアや外部パートナーとの協力を重視し、幅広いメンバーが活動に参加するケースが多く見られます。一方、株式会社は主に雇用された従業員が事業に従事するため、人々を動かすには常にコスト意識が必要です。多くの仲間と共に活動したい場合はNPO法人が、生計を立てる仲間と活動したい場合は株式会社が向いています。
最適な法人格は、組織のビジョンや目標に応じて異なります。
社会的なイメージや収益性、雇用に関する要因を考慮し、自身の活動に適した選択をしましょう。