市民活動を行う上で、メンバーやボランティア、お客さんや支援者の人数について、最適な規模はどれくらいだろうと考えたことはありますか?実は、私たちが親密な関係を築き、維持できる人数には上限があるのです。
ダンバー数
1993年、イギリスの人類学者であるロビン・ダンバーがヒトが互いを認知し合い、安定した集団を形成できる規模は平均150人程度(実際には人によってバラつきがあり100~250の間)だと提案しました。これは、霊長類の大脳新皮質の割合と群れの構成数が関係するという仮説を基にしたもの。ダンバーの調査によると、新石器時代の農村の規模や、定住場所を分割する際の人数、軍隊の基本的な単位が150人だそうです。この数字は「ダンバー数」と呼ばれ、ある国の行政局や、有名企業などが一つのオフィスあたりの人数を150人を上限とするなどさまざまな分野で応用されています。ちなみに、身近なところでは年賀状の最盛期の一人当たりの発送先数もダンバー数の範囲だったそうですよ。
親密度の階層
ダンバー数は関係を保持できている人の数で、関係が途絶えた人は含まれません。また、ダンバー数の中にも親密度のグラデーションがあります(図)。これらの数はどうやら私たちの脳が規定しているそうです。であれば、特に顔の見える関係性を大切にする市民活動でのコミュニティの運営も、この法則に則ると良いかもしれません。コアメンバー、ボランティア、支援者、お客様の数…ダンバー数から考えてみてはいかがでしょうか?
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