ボランティアといえば「無報酬」が原則です。しかし、最近は「有償ボランティア」という取り組みも目にする機会も増えました。
有償ボランティアって何?
厚生労働省の資料では『ボランティア活動を行い、実費や交通費、さらにはそれ以上の金銭を得る活動を「有償ボランティア」と呼ぶ例もある』と紹介されています。1980年代前半に在宅福祉サービスの分野で、ボランティア確保のために始まりました。ボランティアに謝礼を渡す際は、交通費等の実費分として数百円~2、3千円程度を一律にお渡しするケースがほとんどです。
注意点①「労働者性」はないか?
ボランティアはあくまでも無償であり、アルバイトなどの「労働」と区別する必要があります。労働基準法では「労働提供の形態が指揮監督下の労働であること」や「報酬が労務の対価として支払われること」などが労働者性の判断基準になります。例えば、作業時間や内容によって謝礼の金額を変えたり、仕事の内容や進め方を指揮したりすると「労働者性」があると言えます。そうなると、最低賃金の支払いなどの義務が生じますので注意が必要です。
注意点②「持続可能性」はあるか?
ボランティアに謝礼を渡す場合、謝礼が途中からなくなるのは印象が悪いですよね。団体の資金力を見て「今後も払い続けられるか」をよく考えましょう。また、団体の中で謝礼をもらっている/いないや、金額の差、などによって不公平感が生まれ、組織が空中分解してしまったというケースもよく聞きます。ボランティアへの参加動機はお金ではないので、無理に謝礼を払うことはありません。各団体の資金面でも、人材の面でも謝礼を払うことが本当にプラスになるのか?持続性をよく考えて、導入を検討しましょう。
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