【今日どう?通信】協働は「みんなちがってみんないい」
先日のとあるご相談での一幕です。
「NPO活動を進めてみたけれど、単独での活動には限界が生じてきている気がする」
「とにかくこの課題にたいして取り組んで行きたいから、誰と協力したらいいでしょうか」
という相談でした。
また、NPOを立ち上げたばかりだということで、NPOとしての社会的立ち位置なんかも質問いただきました。
実はよく聞かれる相談で、とても素直に多くの方が持たれている疑問だと思います。
これまで自分も曖昧にしていたところだなと思い、整理してご相談にのらせてもらったので、せっかくだから内容を、今日のコラムに綴りたいと思います。
協働というキーワードの中で、よく出てくる組織といえば、行政、NPO、企業ですが、それぞれの立場や役割を理解すると、いろんなことがすっきりしてくるのかなと思います。
※特に正解があるわけではないと思うので、あくまで私の主観だと捉えていただけると幸いです。
それぞれの立ち位置で共通しているのは、全員が誰かの為に動いているということ。
傍を楽にするということで、ハタラクという言葉があるように、どの組織も誰かの為にハタラいています。
それぞれ、誰かの困ったを助ける立場だとしても、その意思決定の基準が違ってくるのかと思います。
それぞれの得意分野に関して例えるなら、
目の前の困ったに対して、
・行政は広くみんなの暮らしの当り前を作るのが大得意。
・NPOは、隠れがちな困ったを見つけて動き出すのが大得意。
・企業は一般の困ったを継続的に価値提供を循環させるのが大得意。
逆にそれぞれが苦手になってしまうことは、
目の前の困ったに対して
・行政は税金を行使する以上、社会的認知となる課題と確認してからでないと政策をうちづらい。
・NPOは、動き出したはいいけど継続するにはどうしたらいいかわからない。
・企業は、課題が目の前にあっても市場性が見いだせないと動きづらい。
それぞれが役割をもって得意分野を進めながら、苦手なところを補い合いながら進めていくのが協働だとしたら、お互いに何が得意で何が苦手か理解し合っているといいですよね。
NPOが取り組むほっとけない事象を、広く世の中の当たり前として継続させたいと思ったときに、誰とどういう協力をしたらよいのかを考えてみるのも協働の一歩ですね。
もっと詳しく具体的な関わり方までは長文になるのでここでは書けないですが、そんな相談でした。
この相談に乗っていた時に、金子みすゞさんの歌を思い出しました。
歌詞を直接書くとアレなんで、意味合いだけ書くとこんな感じです。
「私は鳥のようには飛べないけれど、鳥は私のように走れない。
私の体は鈴のように音は出ないけど、鈴は私ほど多くの歌を知らない。
みんなちがってみんないい。」
協働はまさにこれだなぁと。
なんだかしんみりした感じになっちゃいましたが、お互いに誰かのために活動している中で得意不得意を理解しあうところからきっかけが生まれるかもですね。
明日は雪が降るそうです。風邪などひかぬよう冬を楽しみましょう。
【樺沢】
2014.12.05