2016.05.19

【今日どう?通信】アナログ世代の人間ですから

【アナログ世代の人間ですから】

2016-05-19 07.08.41

長岡市文書資料室から電話がありました。「お預かりした資料の整理が終わりました。お返ししたい資料が有りますので引き取りに来てください。」

丸3年かけて整理していただいたのは、53年間の活動に終止符を打った芸術鑑賞団体「長岡市民劇場」の膨大な資料です。

CD3枚に収められたのは、1959年(昭和34年)の厚生会館での上演会から2012年12月のリリックホールでの最後の例会、加藤健一と風間杜夫の「バカのカベ」までの301回分の資料です。文書資料室にとっても、長岡市の文化活動の資料として貴重なものになりました。

映画やテレビドラマは平面の表現で、クローズアップや場面転換が容易であり、ぶつ切り場面を繋ぎ合わせたようなもので、観る側は受け取るだけ。舞台は、生身の役者が初めから終わりまでノンストップで演じ、観客との見えないやり取りで劇場の空間を作って行きます。場面転換で暗転となるわずかな暗闇に、次の場面を待つ時間が何とも言えない一体感に包まれます。

いつでもどこでも手元で好きな映画やアニメ、動画を見られる現代は便利な世の中だけど、芝に座り田楽や猿楽を楽しんだ古の人々と同じように「芝居」も楽しんでほしいものです。

文書資料室から帰ってきたダンボール4箱分のお芝居のパンフレットは、我が家に一時預かりです。いつかお披露目したいと思っています。

文:渡辺美子
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