2015.09.08

【むすび隊 長岡 】花火の歴史を古里自慢に、花火の郷しんぐみ煙火大会

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前回の記事と同じく、北越戊辰戦争伝承館からの風景です。季語で言うところの稲の秋がやってまいりました。新組地区には兼業農家が多いので、本業の傍らにも天候がとても気になります。

 

平成27年8月22日、写真の田園を打ち揚げ場所にして、地域の花火大会がありました。今年で2回目の開催ですので、まだ小さな規模ではありますが、集落の中から間近に観る尺玉はど迫力なのです!

また、打ち揚げには、地域らしさを表現した大切なテーマがありました。

 

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新組地区には江戸時代から花火師が居り、全盛期には4軒が活躍していました。花火師たちは、新潟や大曲など、全国の競技大会で優勝するなどの実力者たちでもあったのです。

もちろん、長岡花火でも手製の玉を打ち揚げました。隣村にはあの嘉瀬花火師が居り、腕比べも賑やかだったようです。

 

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現在の新組地区には、安藤煙火店が1軒残るのみになりましたが、地元の現役花火師の活躍を観られる地域なんて、そうそうあるものではありません!それならば花火を古里自慢として再認識しよう、どうせならば家族みんなで楽しめるイベントにしようと、地元企業親交会、連合町内会、北越戊辰戦争伝承館が一丸となって始めたのが「花火の郷しんぐみ煙火大会」でした。伝承館では、花火大会に併せた地元花火師の歴史の展示も行いました。

 

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新しくイベントを立ち上げるにしても、地域にある物語を大切に活かすことで、「地域らしさ」の演出、「共感」を強めることができる思います。

新組地区は地域の歴史の濃い土地です。大会の開始には、戊辰戦争の古戦場である当地から、東西の兵に捧げる慰霊の白菊が打ち揚がっています。スターマインにはそれぞれ、「桑原久右衛門」「貞心尼」「長谷川泰」といった、地域を代表する先人を讃えるメッセージが読み上げられました。

 

他にも、地元少年野球チームへの激励、赤ちゃんの誕生祝い、転入家族からの挨拶などのメッセージが寄せられて、花火に明るいテーマを添えてくれました。

秋に入っても、まだまだあちこちで賑やかな越後の空ですが、その花火のひとつに込められた、地元の強い想いを紹介いたしました。

 

 

恩田さん3

長岡地域むすび隊

恩田 富太