毎年恒例となりました、新組地区と河井継之助記念館の共催の「八丁沖ウォーク」が、平成27年10月10日に開催されます。
司馬遼太郎の「峠」のクライマックスである、歴史に名高い「長岡城奪還戦」は、長岡の北部、八丁沖と呼ばれた広大な沼地を突破することで成し遂げられたのでした。
進発地点にあたる八丁沖の畔、新組地区から、対岸の富島地区までの行軍のルートをたどるのが、八丁沖ウォークです。毎年の参加者には、長岡藩ゆかりの方や、県外から熱烈な歴史ファンがいらっしゃいます。
圃場整備が進み、かつての沼地は美田に姿を変えましたが、そこを歩いてみても、先人の苦難を知るには余りあるものがあります。この地が最大級の激戦地となり、多くの戦死者を出したのは、銃砲からの逃れ場の無い平坦な地形にあると分かるからです。水田の畔では、今現在でも弾丸を拾うことがありますから、戦闘で飛び交った銃弾の数たるや・・・。
少し重い話になってしまいましたが、この場所に北越戊辰戦争伝承館があることは、戦争の傷ましさを伝えることでもあり、とても意義深いことなのです。長岡のまちなかでは、河井継之助記念館が長岡武士の志を、郊外では北越戊辰戦争伝承館が農民の生活と受難を、両面から伝えています。そうすることで、長岡の戊辰戦争の語り継ぎは、一層奥深くなるのだと思います。
とはいえ、毎年和やかに歩く八丁沖ウォークです。コース自体は平らで、ゆっくり歩いて2時間ほど。お子さんも楽しんで参加されています。お土産には、地元小学生と育てた低農薬栽培の「八丁沖米」もあります。
郷土史は、小難しいと思われがちです。先人たちの想いを長く語り継ぐためには、生涯学習のまず入り口に、こうしたイベントがあることがとても大事だと感じます。
さあ。秋の麗の農村風景と歴史談義を楽しみながら、今年も長岡隊進発です!
※写真は全て2014年開催時のものです
長岡地域むすび隊
【著者プロフィール】
名前:恩田 富太(おんだ とみた)
出身:生まれ育ち現在は長岡市新組町(間に進学・就職の東京が入ります。)
所属:「新組地区長谷川泰を語る会」
特技:広告デザイン、イラストと俳句