長岡市内で活動する団体を訪問!今回は、月に1度の夕食会で人とのつながりを育む「新町みんな食堂」さんからお話を伺いました。
◆どんなことをしている団体ですか?
毎月1回、第3金曜日に蔵王地区集会場を会場にして、子どもから高齢者までの周辺住民や家族と食卓を囲む機会が少ない人たちが集まって、食事会を開催しています。料金は一人100円!食材はフードバンクにいがた長岡センターに寄せられたものや、個人、企業からの寄付です。また、調理もボランティアが集まって準備をしています。
参加者も率先して配膳と片付けを行い、みんなでつくっている食堂です。
大勢で食べる食事を通して人のつながりを感じてもらおうと開催しています。
◆活動を始めたきっかけ、これまでの歩みを教えてください
「子ども食堂」という、地域住民や自治体が主体となって無料または低料金で子どもたちに食事を提供するコミュニティの場が全国で広がっています。日本の社会に隠れた「見えない貧困」や、「孤食」といった子どもたちを取り巻く現状の解決は簡単ではありませんが、まずは温かい食事が食べられる機会をつくろうと取り組まれているものです。
新潟市での取り組みを視察に行った際、長岡でも今あるつながりを活かして開催することがイメージできたので2017年4月にスタートさせました。
それまで「子ども食堂」の取り組みは長岡市内にはまだありませんでした。保育の現場にいる身として、需要はあると感じていましたが、貧困世帯や一人で食事を取る子どもを対象とするのは、難しい部分も多いですし、何より食事は大勢で取ったほうがおいしい。そんな理由からこの機会を地域に開き、多世代で一緒にごはんを食べることにしました。
◆どんなメンバーで活動しているのでしょうか?
子育てや教育サポートに取り組むNPO法人の関係者や、食品の再循環に取り組むNPO法人、また新町小学校やPTA、コミュニティセンター、蔵王保育園などからなる新町放課後子ども教室運営委員、地区の児童委員など多様な人たちが関わってくれています。近隣に住む60代前後のお母さんボランティアも増えてきていて、食事作りはもちろんですが、アットホームで温かな雰囲気にしてくれるありがたい存在です。
食材提供では、農家さんや、スーパー、お菓子屋さんなど、それぞれが提供できる品を寄付してくれています。自家菜園で育てた野菜を持ち込んでくれる個人も少なくありません。協力したいという気持ちを食材にして色々な人たちが届けてくれています。
◆周囲の反応や、やっていてよかったことを教えてください
場づくりの工夫として、参加者同士が気軽に話せる状況をつくろうと、会場を少し小さい部屋にしています。知らない人同士が隣り合わせることも多いですが、座る距離が近いことでお隣さんと声を掛け合いやすいです。
そんな心がけや、メンバーの人柄もあって、大きな家族のように和気あいあいとした雰囲気になっています。ここには、おせっかいな人が多くいて、子どもたちに「食べ残してるよ」とか、「なんでも食べようね」と、世話を焼く場面がありますが、最近では親以外の人から様々な声を掛けられることは多くないと思うので、有意義だと感じています。
◆今後の活動を教えてください
新町みんな食堂のような取り組みが、当たり前の活動になって、隣近所や知り合い同士で気軽に家に呼び合ったり声を掛け合って、わざわざこういう場をつくらなくてもいいようになるといいなと思っています。そんな社会になってほしいですね。
「月に1度の夕食会で人とのつながりを育む」新町みんな食堂さんは、らこって5月号で紹介しています。