長岡市内で活躍する、市民活動・地域活動をスタッフがピックアップしてご紹介。今回は、障がいがあっても、自分らしく生きがいをもって暮らすことを目指して、サポートと場づくりに取り組む「NPO法人 とちの木」を訪ねました。
▶どんなことをしている団体ですか?
精神障がい者や発達障がい者、知的障がい者を対象に、ワークセンター「とちの木の家」と地域活動支援センター「ぽむハウス」を運営しています。
「とちの木の家」は木工や縫製等の軽作業や農作業を行なう場。就労の機会を提供し、誰でも自分らしく生きがいをもって暮らせるように支援しています。
「ぽむハウス」は利用者が自分のペースでゆったりと過ごし、心身のリフレッシュを図り各自のペースで自立・社会参加を進めていく場です。
▶活動を始めたきっかけ、これまでの歩みを教えてください
NPO法人とちの木の設立は平成26年9月。
昭和40年頃から「とちの木の家」を「とちお家族会」という団体が運営してきましたが、活動をする中で利用者が増え、さらに増えるであろう需要に対応するためNPO法人を設立し、その運営を引き継ぎました。
NPO法人が運営するようになったことで、職員を増やし、平成28年には「とちの木の家」が、就労継続支援B型(就職が困難な障がいをお持ちの方に就労機会を提供するとともに、生産活動を通じて、その知識と能力の向上に必要な訓練などの障がい福祉サービスを供与する事業)事業所に指定されました。
また、地域活動支援センター「ぽむハウス」も平成28年から運営をはじめました。
▶どんな規模で活動しているのでしょうか?
現在は定員の20名がほぼ埋まっています。利用者は栃尾地域からがほとんどで、10代後半から60代前半までいます。
職員は両施設合わせても5名程度しかおらず、いっぱいいっぱいな現状です。来年度以降、職員を増やすとともに、より多くの利用者に利用していただければと考えています。
▶大切にしていることや、やりがいを教えてください
精神面に障がいのある人にとっての居場所の必要性は、利用者やその家族からの声を聞く限り、強く感じます。「とちの木の家」では毎月キャンプや花見、スポーツ大会など利用者が楽しめる催しをしており、それが大変好評で、ただ単に時間を過ごすだけではなく、利用者にとって生活に欠かせない場となっています。ただ、利用者ごとに障がいの度合いは当然異なり、さらにそれが外見的に分かりにくいため接し方に難しさもありますが、だからこそやりがいも感じます。
▶今後の活動を教えてください
当施設の利用者にとって長距離の移動は大きな負担となるほか、どんな人でも生まれた土地で暮らし続けられる社会を実現するため、これからも栃尾で活動を続けなければと使命感を感じます。「とちの木の家」では働きに応じて工賃を各自に払っていますが、あまり大きな額ではありません。いずれは工賃の基に自立した生活が送れるよう、企業などとも協力して運営体制を整えなければと思います。
誰もがいきいき 暮らせまちを目指して NPO法人 とちの木は、らこって2016年12月号に掲載されています。