2017.02.16

地域の声に耳を傾けて NPO法人くらしサポート越後川口 【川口地域】

長岡市内で活躍する、市民活動・地域活動をスタッフがピックアップしてご紹介。川口地域の暮らしに寄り添うNPO法人くらしサポート越後川口を訪ねました。住民同士や地域外の人ともつながる交流拠点では新しい取り組みも始まっています。

 

▶どんなことをしている団体ですか?

長岡市川口地域に住む住人と共に、川口地域を元気にしよう!という想いから設立されました。現在は、中越大震災の体験と教訓を伝える中越メモリアル回廊「川口きずな館」の運営、「川口運動公園」の指定管理業務、「地域コミュニティバス」の運営、「JR信濃川発電所JR川口プラザ」の管理運営、「くらサポ茶会」などのイベント企画運営や、学習支援など幅広いソフト事業を自主事業として取り組んでいます。

 

▶活動を始めたきっかけ、これまでの歩みを教えてください

中越大震災から7年を迎えた平成23年に、復興の過程で盛り上がってきた地域活動をどう続けていくのか?過疎化・高齢化に伴って表面化する地域課題にどう対応していくのか?といった議論がされるようになりました。その中で、「地域活動を支援する中間支援組織が必要だろう」とNPO立ち上げの準備がスタート。各地区総代への趣旨説明や、住民説明会を開催するなど地域の声を集め、NPO法人くらしサポート越後川口が平成24年1月に正式に設立されました。

平成23年10月にオープンした川口きずな館を拠点として、会の目的である「互いに支え合い誰もが安心して暮らせる地域社会の実現」をめざし活動をしている中で、コミュニティバスの運営や、川口運動公園の指定管理業務、JR信濃川発電所PR川口プラザの管理運営など、委託業務が年々増えています。

また、地域住民の声を反映した活動として、これまでに、毎月集落にお邪魔して地域の方の声をお聞きする「出張くらサポ茶会」や、若者向けの交流イベント「夜のきずな館○○シリーズ」といった交流の場づくり。川口をまるごとPRするイベント「オール川口フェスタ」や、お祭りなどへの協力。中学校の総合学習支援。また、川口で活動するさまざまな団体やグループの活動支援など、幅広い活動を行ってきました。

 

▶くらしサポート越後川口の活動の特徴があれば教えてください

「川口きずな館」は他の震災アーカイブセンターと違い、中越大震災関係の展示は年表がある程度で、フリースペースが中心です。これは、「地域に開かれた活動の舞台として使ってほしい」という願いがこめられています。そんな施設の特徴があるので、ここ川口きずな館を中心に、料理やハンドメイドなど各種体験教室を開催したり、講座を企画したり、コンサートを行うなどさまざまなソフト事業を多数企画しているのがNPO法人くらしサポート越後川口の特徴と言えるかもしれません。事務局メンバーも20・30代が中心ですので、「くらサポらしい」企画を練り上げています。

また、「川口プラザ」と合わせて、川口で頑張っている市民活動団体やサークルさん、地域の方々の活動の拠点としても利用してもらっていますので、そういった方々のサポートも大切な仕事になっています。

 

▶周囲の反応や、やっていてよかったこと/大変だったことなどを教えてください

地域の人の声を活かした企画ができたときは特に嬉しいです。「川口地域生活実感調査」というアンケートを実施した際に、「若い人たちが集まれる場所が少ない。若い人が飲める場所がない」といった声があがりました。そこで若者交流イベント「夜のきずな館・夜の○○シリーズ」という交流企画をスタートさせました。「夜のきずな館★スプラッシュそうめん」「夜のきずな館★ダンスダンスうどん」など、若い人が楽しめるよう毎回趣向を変えながら企画をして、これまでに8回開催しました。参加者にも楽しんでいただき、地域外の若者も遊び気にてくれるようになりました。住民に求められていた場をつくれたという意味で、やれてよかったと思います。

組織の課題としては、委託事業の業務が増えている中で、住民に寄り添ったソフト事業をどう開発していくかという点が課題です。人数も限られている中、バランスを取りながら丁寧に仕事をしていきたいです。

 

▶今後の活動を教えてください

2016年度の活動テーマのひとつに「子育て支援」がありました。「子育ての駅すこやか」さんと連携した取り組みをしてきましたが、今後も地域の子育てを支えられるような事業の開発をしていきたいです。これから子育てが始まるスタッフもいますので、より子育て世帯に身近なサポートができないか検討していければと思います。

また、新年度からは都市住民など地域外の人材を地域社会の新たな担い手として受け入れ、地域力の維持・強化を図る「地域おこし協力隊」の受け入れを行います。外から来た若い協力隊員が活躍できる環境を整えるのも、大切な役割です。

 コミュニティバスや、川口プラザもそうですが、地域から任され期待されている仕事をひとつひとつ積み上げながら、川口地域に根差したNPO法人として、これからも地域づくりに取り組んでいきます。

 

 

 

 

地域の声に耳を傾けて NPO法人くらしサポート越後川口は、らこって2017年2月号に掲載されています。