2017.04.17

地域をよくするウワサのあの人にインタビュー!【杉山 雅枝さん編】

市民活動に取り組む団体には、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ユーモアでみんなを和ませるムードメーカー、ピンチの時には、スポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っていることが多くあります。

それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。

では、実際にどんな人が、どのように活動に関わっているのでしょうか。
活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。

 

今回ご紹介するのは、障がいのある子どもの就労体験をサポートする、杉山雅枝さんです。今までの経験を活かし、杉山さんらしい温かな眼差しで子どもたちと接しています。

 


『巡りあわせから、私にしかできない役割を見つけて 今も昔も「子どもの成長」が何よりの原動力です』
杉山雅枝さん 〈65歳/元小学校教員〉

ぷれジョブながおか

 

地域社会の中で障がいのある子どもの就労体験を行う「ぷれジョブ」。子どもの就労体験に付き添い、一緒に作業しながら活動を見守るボランティアの「サポーター」さんが活躍しています。杉山さんがぷれジョブサポーターを始めたのは59歳のころ。小学校教員や児童館厚生員など、子どもと接する仕事に長年取り組んできた経験を買われ、関係者から「やってみない?」と声を掛けられたことがきっかけでした。

ボランティアどころか、障がいを持つ子どもと密に接することすら初めてだった杉山さん。接し方や信頼関係の築き方に不安を抱きつつも、「せっかく頂いた機会。やってみようかな」とチャレンジしてみることに。始めてみると、教員時代に培った『観察する』というスキルが活動に活かされたと言います。


▲児童館厚生員のころ。11年間にわたって勤めました

「障がいがある子は、それぞれ何かに強いこだわりを持った子が多いのですが、伝えることが特に苦手です。気持ちに寄り添うには一人ひとりをしっかりと見つめなければいけません」。
ぷれジョブでは、ひとりの子どもに対して4人のサポーターが入れ替わり担当しているため、引継ぎにいつも苦労していました。その子に合わせた接し方を共有する必要を感じた杉山さんは、平成28年よりサポーター間をつなげる「コーディネーター」役を引き受けました。

持ち前の観察力で気づいた子どもの気持ちや変化を、サポーターと共有することで活動を支えています。


▲就労体験に付き添う杉山さん。手を差し伸べる適切なタイミングを見計らいます

 


▲場所によって就労体験の内容は様ざま。普段は入れない仕事場の裏側を見られることも、活動の楽しみにつながっています

今も教員時代も一番の喜びは「子どもの成長する姿を見られること」。これからも身体の動く限りは活動を続けて、成長を見守りたいと笑顔を見せていました。