2017.05.16

地域をよくするウワサのあの人にインタビュー!【小林 公司さん編】

市民活動に取り組む団体には、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ユーモアでみんなを和ませるムードメーカー、ピンチの時には、スポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っていることが多くあります。

それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。

では、実際にどんな人が、どのように活動に関わっているのでしょうか。
活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。

 

今回ご紹介するのは、交流の場をつくるコーディネーター、小林公司さんです。生まれ育った和島で小林さんの抜群のユーモアを発揮。多くの人を巻き込んだ地域の新たな楽しみが始まりました。

 

『50年、100年後のふるさとのためにできるコトを、みんなで、楽しみながら』
小林公司さん 〈67歳/自営業〉
椿の森倶楽部

 

小林さんは生まれ育った長岡市和島地域で、熊野神社の敷地を借り受け、多世代交流の場をつくる地域団体「椿の森倶楽部」を平成29年1月に設立しました。そんな小林さんは、以前は地域のために自ら汗水流すということは少なく、地域活動に積極的となったのはここ数年のことだそうです。

価値観が変わる契機となったのは、平成23年の東日本大震災。自身の「生き方」について考え直していた折、旅先の福島県で樹齢1000年を超す名木「三春の滝桜」に出会い、その美しさと守り継いできた先人の営みに心を打たれました。以来、「私は未来を創る子や孫に何を遺せるのだろうか」と考え、生まれ育った地域で、滝桜の植栽活動や、熊野神社の草刈・剪定活動を始めました。

活動する中で特に大切にしていることは、なるべく多くの人を巻き込むこと。「異なる経験や考えを持つ人と交流すると、多くの発見や学びを得られる。広くて深い交流が交わされる地域には、おのずと笑顔や活力があふれるはず」と、小林さん。地域づくりでは新しい視点をもたらすという意味で「よそ者」「若者」「馬鹿者」のチカラが大切と言われますが、生まれ持った社交的な性格を活かして様々な人から協力してもらっています。

▲左は小林さんが「椿の森倶楽部」の後継者として期待を寄せる小林克也さん。若手の育成にも積極的です

 

▲平成29年春には熊野神社でミニSLを走らせ、幼稚園児を楽しませました。先頭はミニSLを自分で組み立てた佐藤さん

個人の活動の延長で設立した「椿の森倶楽部」には、現在30人以上が会員として参加しています。幼稚園児から高齢者まで、多世代が集まれるような場にしたいという想いが共感を集め、地域外からも手伝いに来る人も増えてきたそう。ふるさと和島が何十年、何百年後も元気であり続けることを願って、いつも率先して野良仕事に励む小林さんの姿に、「自ら楽しむ」ことが何よりも人を巻き込む秘訣なのだと気付かされます。