2017.07.02

地域をよくするウワサのあの人にインタビュー!【目黒 秀平さん編】

市民活動に取り組む団体には、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ユーモアでみんなを和ませるムードメーカー、ピンチの時には、スポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っていることが多くあります。

それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。

では、実際にどんな人が、どのように活動に関わっているのでしょうか。
活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。

 

今回ご紹介するのは、あの人の活動を支える市民活動界の助演男優賞、目黒秀平さんです。尊敬する人のためだからこそ、そして頼りにされるからこそ、力を発揮できる目黒さんの姿が見えてきました。

 

 

脇役なくして主役なし“献身”だけではない支え続ける力の源泉
目黒秀平さん〈60歳/伝統工芸士(蒔絵)〉「小林茂の仕事」Oタスケ隊、アフリカンフェスタ in ながおか実行委員会

 

ドキュメンタリー映画『阿賀に生きる』、『チョコラ!』、『風の波紋』などを撮影・監督したことで知られる新潟県生まれの映画監督・小林茂氏。舞台裏には、二人三脚で制作を支える多くの市民サポーターの存在があったことをご存知でしょうか。長岡市に拠点を置く伝統工芸士・目黒秀平さんもそのひとり。

二人の出会いは、長岡市で行われた『阿賀に生きる』(1992)の上映会。「公害問題を捉えつつも、そこで営まれる人々の豊かな暮らしに焦点を当てている点に共感した」と自らも自主上映活動に協力するように。長岡では延べ1000人以上が訪れる大きな成果を残しました。



▲作品の舞台となった阿賀野川にほど近い、阿賀野市安田公民館で例年行っている『阿賀に生きる』上映会で壇上に立つ目黒さん。


そのときの成功体験や、皆で協力し合うことの楽しさが忘れられず、『こどものそら』(2000)の制作を機に、小林監督が制作活動に専念できるよう「小林茂の仕事」Oタスケ隊を組織。代表となった目黒さんを中心に、制作資金集めや事務作業のみならず、撮ったばかりの映像を観てみんなで編集のアイディアを出し合うなど、制作活動全般をサポートしています。


▲撮ったばかりの映像を前に、編集の打ち合わせを行っている様子。奥は小林監督。


「映画制作には多くの人の力が不可欠。分け隔てなく誰に対しても真摯に向き合う小林さんの姿勢を尊敬しているからこそ、私のできる範囲で彼の助けになりたい」と目黒さん。小林監督も長い付き合いの目黒さんにアドバイスを求めることもあるなど、人一倍の信頼を寄せているのだとか。

プロジェクトが強い推進力を得るには、縁の下の力持ちとなるサポーターの存在が欠かせませんが、両者はまさにその好例。さらにその関係が何十年にもわたり継続している秘訣は、「自身の楽しみ」と「相手への尊敬」が活動の源泉にあることかもしれません。


▲実行委員を務める「アフリカンフェスタ! In ながおか」での一幕。ここでは目黒さんが、若い世代を後ろから支えています。