市民活動に取り組む団体には、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ユーモアでみんなを和ませるムードメーカー、ピンチの時には、スポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っていることが多くあります。
それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。
では、実際にどんな人が、どのように活動に関わっているのでしょうか。
活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。
今回ご紹介するのは、スポーツを切り口に交流の場をつくり出すママ、樺澤 裕美さんです。地域に支えられ、そして暮らしに必要なものは新たに生み出しながらつないでいく、住民目線の取り組みがありました。
暮らしのつながりに助けられ、そして今新たな居場所を育む プレイヤーだから味わえる楽しさを大切にして
樺澤裕美さん 〈33歳/団体職員〉 総合型クラブY-GETS
樺澤裕美さんは、山古志を拠点にスポーツで地域活性化に取り組む総合型クラブY-GETSに所属。運動教室や卓球などのサークル活動に加え、子育ての駅「やまっこ」や放課後の児童の居場所「やまっ子クラブ」を運営しています。
樺澤さんは、イベント企画や経理、運動指導、受付サポートなど幅広い業務を担う実働部隊の要のクラブマネジャー。「楽しむ!をモットーに企画づくりをしています。若手の意見を大切にしながらベテランとの橋渡しをするのも私の役割です」。
みんなで議論できる場にやりがいを感じると話す樺澤さんは、小学校時代からスポーツに親しみ、小学・中学・高校とバレーボール部で主将を務めたスポ根女子。培ってきたリーダーシップと打たれ強さ、周囲との連携力を発揮しています。
▲バレーボールに明け暮れた日々。部活動と家庭環境から周囲と協力する楽しさを教わったそう。
「嫁に来た当時は、雪上スポーツも好きで雪は苦にならなかったし、近所の人が声を掛けてくれ、すぐに環境に慣れました。しかし、中越大震災の仮設住宅暮らしをきっかけに、山古志を離れるママ友が多く、今後の生活を心配しました。でも、知った人が多く暮らし慣れた地での生活再建を選びました」。
現在、夫と3人の子どもと義理の両親の7人暮らし。地域のつながりの深さが生活や子育ての支えです。
▲3人の子どもを持つお母さん。自然が多く遊び場がたくさんある山古志も、遊び相手がいてこそと樺澤さんは言います。
そんな暮らしの中で必要性を感じ、クラブで始めたのが、「やまっ子クラブ」。小学生の放課後を見守る環境がなく、家にこもりがちな地域の子どもの居場所を「地域にないなら私が作ろう!」と、スタートさせました。
大学生から還暦を迎えた人までがスタッフを勤め、長期休暇には高校生も運営を手伝うそう。「クラブを多世代が集う交流の場にしたい」と新たな地域の居場所づくりに前向きに取り組んでいます。
▲平成27年度から「やまっ子クラブ」を始め、今年で3年目を迎えました。