2017.08.22

地域をよくするウワサのあの人にインタビュー!【わきた たえこさん】

市民活動に取り組む団体には、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ユーモアでみんなを和ませるムードメーカー、ピンチの時には、スポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っていることが多くあります。

それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。

では、実際にどんな人が、どのように活動に関わっているのでしょうか。
活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。

 

今回ご紹介するのは、地域のつながりを編む手芸作家、わきた たえこさんです。移住先の川口地域で得意なことを活かし、地域に根差して活動中です。

 

 

笑っていられる場所をつくりたい 手芸が得意!と旗を掲げることではじまる場所づくり
わきたたえこさん〈52歳/手芸作家〉 くらしクリエイター

 

得意の手芸を活かしてイベント出店やワークショップ講師、コラボでの企画運営など手芸作家として活動するわきたさん。取組みの傍らで、つながりや居場所づくりを意識した企画にも力を入れています。

わきたさんは、川口地域在住の親友がいたことをきっかけに愛知県から移住。復興支援員の職に就き、地域をサポートする日々から「多くの地域活動が巻き起こる中で、人が集うためには何よりも、人の存在が大切だと気が付いた」と話します。

▲親友を通じて愛知と川口を行き来すること20年。川口の景色や人に惹かれて単身移住を決めました。


この経験から、支援員を退職した現在も、もともと得意だった編み物や針仕事、アクセサリー作りなどを切り口に、地域に開いた場づくりを行っています。川口地域の、きずな館で開催している「木曜しゅげいぶ」について、「おしゃべりばかりで作品が完成できなくてもいいと思ってやっています」と話します。

他にも、同地域の木沢集落で開く展示販売会では、地域外から作品を見に来る人はもちろん、集落の住民も集い、いつの間にかみんなでちゃぶ台を囲んでいることもあるそう。「人が楽しく笑いあえる場が、まちの中にたくさんあることは幸せなこと。私がしているのは種まきなんです」。

▲集落住民と地域外の人が交わる作品展示会では、お茶を飲みながら暮らしの知恵を教わったり、近況を報告し合うことも。

 

▲小国地域の藍で染めた糸を使った刺繍入りポーチ。コラボ作品が多いのも、わきたさんの特徴です。

わきたさん自身も、制作を表立って始めてからは市街地や周辺地域に出かけていくことが増え、活動が広がっているそう。「自分からやりたいと手を挙げることで、場所や機会を提供してくれる人や、応援してくれる人は現れるものです。手芸でも、飲み会でも、ちょっとしたきっかけで、人が楽しく集える場は作れます。それを続けることで交友関係が広がっていくことを体現したいです」。

わきたさんの姿から、地域や社会との多様な関わり方が見えてきます。