2018.02.06

地域をよくするウワサのあの人にインタビュー!【廣川 一男さん】

市民活動に取り組む団体には、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ユーモアでみんなを和ませるムードメーカー、ピンチの時には、スポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っていることが多くあります。

それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。

では、実際にどんな人が、どのように活動に関わっているのでしょうか。
活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。

 

今回ご紹介するのは、地元で輝く元企業戦士、廣川 一男さんです!

 

定年後、私の勤めは地域づくり
活躍の場は会社からふるさとへ

廣川一男さん 〈70歳/会社役員〉 株式会社 宮本村

 

イベントへの出店や公園の清掃業務などを通して地域の活性化と発展を図るため、長岡市宮本地区住民の出資により平成2年に設立されたまちづくり会社「(株)宮本村」。廣川さんは、ともに宮本地区で生まれ育った親友からの誘いをきっかけに設立時から出資者のひとりとして活動に参画。「よく学びよく働いて会社に貢献し、定年後はそれまでの経験を活かして生まれ育った宮本地区に恩返ししたいといつも考えていました」。旅行会社などを経て退職後にUターンしてからは会社員時代の経験を活かし、ビジネスの視点から(株)宮本村の活動を後押し。代表の右腕として組織運営を支えています。

▲(株)宮本村の株主総会で収支報告をす るのも廣川さんの役目。「持続的な経営が何よりも地域貢献」との意識から、日々の 経営状況に目を光らせます。

 

「健全な組織運営のために、売り上げなどの数字をチェックすることが大切」と言いながらも、常に意識しているのは数字の背景にある現場の様子。出店するイベントなどには積極的に出向き、お客さんの反応を肌身で感じ、そこで得た気づきをもとに改善を繰り返します。「徹底した現場主義と数字への意識は会社員時代に培いました。現場に行ってお客様の気持ちにならないといいモノが生まれないのは、まちづくりでも同じですよね」。ビジネスの環境で磨かれたサービス提供の先にあるお客さんへの意識が、持続可能な経済循環を伴う“コミュニティビジネス”的な組織運営につながっています。

▲(株)宮本村名物、ジャンボ鍋とともに市内外のイベントへ出店。まちづくり会 社として、食を通じて地域を盛り上げるほか、イベント出店後は懇親会を欠かさず、 地域住民間の親睦を深めています。

▲旅行会社に勤めていたころも、今と変わらず現場 のお客様との交流を大切にしていました。

 

「自分の経験を地元のために活かすことができて最高に幸せだと思います」と話す一方、70歳を過ぎ次世代へのバトンタッチの意識は日々強まっています。「いまの若い方は以前とは違い、地域のために割ける余裕が少ないのかもしれないですね…。知識や経験をふるさとに還元することの喜びを若い方に伝えていきたいです」。