市民活動に取り組む団体には、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ユーモアでみんなを和ませるムードメーカー、ピンチの時には、スポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っていることが多くあります。
それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。
では、実際にどんな人が、どのように活動に関わっているのでしょうか。
活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。
今回ご紹介するのは、山古志を支えるプロジェクトリーダー、田中 康雄さんです!
チャレンジでモチベーションと活気を! 楽しく続く地域づくりを目指して
田中 康雄さん(46歳)
山古志地域でコミュニティバスの運行や、やまこし復興交流館おらたるの施設運営に加え、最近ではインバウンド向けツアーなど、住民の生活サポートから観光まで幅広い事業を手掛けるNPO法人中越防災フロンティア。家業の清掃業を生業といながら、この組織で事務局長を務める田中康雄さんは、16年間の東京暮らしを経験したUターン者です。「ずっと東京で暮らすと思っていましたが、2004年の中越大震災で被災し、父が家業である清掃業をたたむと言い出したんです。なくしてしまうのは惜しいと思い、山古志帰村のタイミングで帰ってきました」。
▲雪かきボランティアの技術向上を図る『雪かき道場』の事務局として、実践につながるよう、スキルを伝授しています。
地域での生活あってこそ成り立つ清掃業ということもあり、家業に加え全村避難からの復興に取り組む地域の最前線に加わり、実働部隊として汗を流してきました。そんな中で、地域づくりを考える場で検討されていた地域生活の足となるコミュニティバスの運行に、家業が生かせるのではと現在の組織に参加しました。
その後、フロンティアは、地域住民とともに様々な地域づくり事業を展開。同時に、若手スタッフや県外出身者の地域おこし協力隊など、多様な人材を受け入れてきました。
幅広い事業を手がける組織の現場を束ねる田中さんが大切にしていることは、チャレンジすること。多角的な地域づくりが求められる山古志では、「動き続けることが地域の活気を生み出すカギ」と、若手の感性を活かしたアイディアを実現できるようサポートしています。「行動してもすぐに状況が良くなることってそうないと思っています。10年後も続けていられるように気張りすぎず、ゆるみ過ぎず、みんなで楽しさを感じていきたいです」。