市民活動に取り組む団体には、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ユーモアでみんなを和ませるムードメーカー、ピンチの時には、スポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っていることが多くあります。
それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。
では、実際にどんな人が、どのように活動に関わっているのでしょうか。
活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。
今回ご紹介するのは、夕日に魅せられたカフェオーナー、原田 美喜子さんです!
日本海に沈む夕日を追いかけて 好きなことから生み出すまちの豊かさ
原田 美喜子さん(68歳)
寺泊地域の海岸沿いにあるミニギャラリー&カフェバー「ローズマリーガーデン」。日本海が一望できる店内には、一点もののアクセサリーやアート作品など、店主の趣向がうかがえる品が並びます。
ここを切り盛りする原田美喜子さんは、日本海に沈む夕日が大好き。新津で過ごした高校時代には、授業を抜け出し新潟市の海まで夕日を眺めに行くことも多かったそう。進学をきっかけに上京し、住宅メーカーに就職。東京で暮らしながらも、日本海に沈む夕日を側で見たいと、45歳の時に好条件の土地を見つけ、週末を寺泊で過ごす二拠点居住をスタート。定年を機に寺泊へ移住し、カフェをオープンさせました。
いつでも夕日が楽しめ、価値観の近いお客さんにも出会える暮らしに満足していた原田さんですが、お客さんから誘われた地域の交流イベントに参加したことをきっかけに、地域との関わりが生まれました。「体を動かすことが好きだったので、縁あって寺泊総合型スポーツクラブ『てらスポ!』内で卓球サークルを始めることになりました」。卓球が得意な三条市在住のカフェのお客さんをコーチに、スタートして3年。ゆるやかさが評判でメンバーが広がり、3クラスに分かれて活動するほどの人気サークルに成長しています。
▲上越市と新潟市で活動するピンポン同好会と開催した交流試合。カフェのお客さんが上越で卓球クラブを主催していたことから生まれた企画です。
他にも、史跡の多い寺泊をランチ付きで歩いてみようと知人とツアーを企画。地域の魅力を再発見できたと、地元の人からも好評でした。
原田さんは、カフェやサークルなどを通して地域内外の人との関りが生まれ、移住したての頃には想像もしなかった充実感を感じているそう。この美しい夕日のまちがこれからも豊かに続いてほしいと願いながら、地域に根を張った暮らしを楽しんでいます。