2019.11.12

障がい児も地域で成長できる社会へできることを一つずつ|小西美樹さん【インタビュー】

市民活動に取り組む団体には、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ユーモアでみんなを和ませるムードメーカー、ピンチの時には、スポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っていることが多くあります。

それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。

では、実際にどんな人が、どのように活動に関わっているのでしょうか。
活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。

 

今回ご紹介するのは、“目指す未来のために、積極的に動くママ”小西美樹さんです!

 


 

 

障がい児も地域で成長できる社会へできることを一つずつ/小西美樹さん

 

「やりたい事、たくさんあるんですよ」
精神遅滞および自閉症児を支える家族会「ひだまりハウス」を主宰する小西美樹さんは、放課後等デイサービス職員のほか整体師や介護福祉士としても忙しい毎日を送っています。


障がい児支援に関わるようになったきっかけは、長男が10ヶ月のときに障がいが発覚したこと。療育を受ける中で、もっとママ同士が悩みを共有し合うことができないかと考えるようになり、ひだまりハウスを設立しました。障がい児の親が集まる茶話会が主な活動です。「茶話会を始めた頃は、それまで外に出ず、ひとりで悩んでいたママばかりでした。今ではみんなの視野が広がり、また意識レベルも高まり、前向きな相談ができるまでになりました」。

 

▲ひだまりハウスの茶話会では苦手な挨拶もしっかりこなす小西さん。最初は緊張したものの今では板についたもの。


また、協力団体の方々と「障がい児ママサポートかけはし」を立ち上げ、障がい者児や目に見えない疾患を抱える人に対して、周囲の人に必要な支援や配慮をお願いするための「ヘルプカード」の周知をしたり、発達に遅れのある子ども向けの迷子札の普及活動を県内でいち早く取り組んでいます。


国内で高齢者福祉サービスが活発化したことと同じように、障がい者児も地域の理解のもと、いずれ地域で暮らせるようになる時期が来ることを願う小西さん。県内外の団体との情報交換を積極的に行いながら、活動を前進させています。「健常者が幼少期から障がい者児と日常的に関わる環境があれば、今後の日本の障がい者福祉の理解につながると思っています」。


障がいの有無に関わらず、お互いが共生できる社会を目指したいという小西さん。どんな難しい状況でも「今よりいい未来に近づいていると思うと楽しいんです」と頼もしく語ります。

 

 


“目指す未来のために、積極的に動くママ”小西美樹さんは、らこって2019年11月号でご紹介しています。