2020.06.08

みんなの気持ちを楽ちんに。絵本と開く人の心|ひろかわかよこさん【インタビュー】

市民活動に取り組む団体は、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ピンチの時にはスポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っています。それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。では、実際にどんな人がどのように活動に関わっているのでしょうか。活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。

 

今回ご紹介するのは、“人に寄り添う絵本や店主”ひろかわかよこさんです!

 


ひろかわかよこさん
ちいさな書店「little books」店主/ながおかみんなの子育てラボ、コミュラボ・ぼうの会
1973年、長岡市生まれ。週2回自宅の一室を開放し、ちいさな書店「little books」を主宰。絵本セラピスト®の資格を活かし、様々な場所で活躍する2児のママ。


 

みんなの気持ちを楽ちんに。絵本と開く人の心|ひろかわかよこさん

 

壁や棚の上に並べられた絵本、気持ちがほぐれるアロマの香り、心地良いピアノの音。それぞれの絵本には、その絵本に対するコメントが貼ってあります。絵本だけではなく、訪れる一人一人への愛情が感じられるちいさな書店「little books」の店主が、絵本セラピスト®ひろかわかよこさんです。

「絵本セラピー」を初めて新潟県に導入したひろかわさん。幼い頃から本が好きで、2010年に長岡市主催のブックスタートボランティア養成講座を受講し読み聞かせを始めました。そんなひろかわさんが絵本セラピスト®になったきっかけは、東日本大震災発生後に被災者の方に少しでも楽しんでもらおうと臨んだ絵本の読み聞かせでした。「子どもと大人の反応のギャップにショックを受けました。楽しそうな子どもたちに比べ、大人たちはこの大変な状況を何とかするのに必死でした」。


▲子育ての駅で行った「赤ちゃんと楽しむ絵本タイム」。絵本の読み聞かせをしながら、0歳児の赤ちゃんが楽しめる読み聞かせのポイントをお伝えしました。

絵本を聞くだけではなく、それを通じて自分の気持ちを吐き出せる機会を届けたいと思ったひろかわさん。この出来事を機に絵本セラピスト®の資格を取得し、ただ読み聞かせるだけでなく、読み聞かせやワークを通して自分の思いを言語化するお手伝いができるようになりました。今ではその資格を活かし、子育てを応援する「ながおかみんなの子育てラボ」では「絵本セラピー」のイベントを開催。双葉寮への訪問活動を行う「コミュラボ・ぼうの会」を主催し、絵本の読み聞かせをしたり、子どもたちとおもちゃで遊んだりしています。「絵本を通して自分の想いを語り合うことで、みんなが心に抱えていたものがほどけていくのがわかります。やりがいを感じる瞬間です」。

活動の根底にあるのは、「みんなの心が軽くなればいいな」という想い。「『頑張らなきゃ』と思っている人が多い時代に、『気持ちを楽にして生きてもいいんだよ』と伝えていきたい。私からそれを受け取った人から、周りの人へ波及していけばいいなと思っています」。

 


“人に寄り添う絵本や店主”ひろかわかよこさんは、らこって2020年6月号でご紹介しています。