市民活動に取り組む団体は、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ピンチの時にはスポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っています。それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。では、実際にどんな人がどのように活動に関わっているのでしょうか。活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。
今回ご紹介するのは、“スポーツを愛する海の男”金田真一さんです!
金田真一さん
中川酒造株式会社/寺泊スポーツ協会
1968年長岡市寺泊生まれ。寺泊スポーツ協会、寺泊少年サッカークラブ、てらスポ!、スポーツ推進委員、コミセン、消防団など多方面で地域活動に携わる。
するだけがスポーツではない。スポーツとの多様な関わり方で地域を元気に!!|金田真一さん
生まれも育ちも寺泊の浜っ子なのに、魚・海藻以外の魚介類が食べられず、「本当に、浜の人間か?」とツッコまれる金田真一さんは、2019年より寺泊スポーツ協会の会長を務めるなど、寺泊で長年スポーツに関わり続けてきました。
社会人になってからもプレイヤーとしてスポーツを続けていましたが、20代中頃に少年サッカーのボランティアコーチを引き受けたことをきっかけに、プレーするだけではないスポーツの価値を感じるようになりました。「指導する立場に立ったことで、スポーツには多様な関わり方があることに気づきました」。そして、「地域にスポーツが存在することで、大人が地域に帰れる場所にしたい」と考え、保護者や地域がスポーツに関わりやすい環境づくりに取り組んできました。
親が子どもの活動に一番関わることができるのは小学生のときと考え、親睦会を奨励して保護者がクラブに関わりやすくなるようにしました。「子どもがスポーツをすると、親もそのスポーツを観る。観ると徐々に親が熱中して、自然と会話が生まれます。さらに、親同士がつながって子どもの送迎などで助け合い、日常生活でもサポートし合える関係になってくれたら嬉しいです」。
▲寺泊スポーツ協会主催の元旦マラソン。運営は加盟団体や地域のスポーツ団体などボランティアの力で支えられている。
また、スポーツには地域のサポートが不可欠。大会に運営ボランティアとして関わってもらうだけでなく、毎年開催する交流会では、協力金を頂くなど多くの人たちに活動を支えてもらっています。「親子はもちろん、地域の人がスポーツに関わることで会話が生まれます。スポーツの話題を町中に広めたいんです!あくまで理想ですけど…」。
近年は、各団体の人数が減り、存続危機のクラブもあります。金田さんは「それでも、続けることが大事」と声をかけ、多様な関わり方をつくることで、スポーツを地域の力にしていきたいと願っています。
本記事は、らこって2020年8月号でご紹介しています。