2020.10.05

後輩へ受け継がれていくバトン 国際交流と長岡市の未来に懸ける想い|佐藤美優さん【インタビュー】

市民活動に取り組む団体は、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ピンチの時にはスポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っています。それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。では、実際にどんな人がどのように活動に関わっているのでしょうか。活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。

 

今回ご紹介するのは、“長岡市と世界をつなぐ若きアンバサダー”佐藤美優さんです!


佐藤美優さん
市民活動団体WA!!
2002年長岡市生まれ。様々な文化をもつ人が一緒に暮らせる長岡市をつくるために活動するWA!!の設立メンバー。将来の夢は、好きなことや特性を活かして国際的に活躍すること。


 

後輩へ受け継がれていくバトン 国際交流と長岡市の未来に懸ける想い|佐藤美優さん

 

「市民活動団体WA!!」は、高校生が設立した、外国人と日本人が互いを尊重しながら暮らす多文化共生社会の実現を目指す団体。名前には「国籍問わず様々な人たちとつながり、大きな輪をつくっていきたい」という想いを込めました。立ち上げの中心を担ったのが、持ち前の行動力と明るさで団体を引っ張る佐藤美優さんです。

佐藤さんは、2019年に”AILA※”という国際交流プログラムに参加。様々な国の参加者とのディスカッションを通して異文化に触れたことが、活動を始めるきっかけになりました。「他の国の参加者は、日本人とは違い、相手の意見で違うと思ったところはきちんと伝えていて刺激を受けました」。プログラム終了後も、こうした文化の違いを同世代の人たちに伝えたいと、他のAILAの参加学生と一緒にハロウィンパーティーを企画。学生から社会人まで様々な国の参加者が150人以上集まりました。この成功をきっかけに、WA!!を設立することに。「団体をつくると、イベントの開催が義務になってしまうのではないかという意見もありましたが、『外国人に対して偏見や差別のないまち』をつくるには継続が必要だと考えました」。

※フォートワース姉妹都市協会主催の”Advanced International Leadership Academy”という高校生対象の国際交流プログラム。

長岡技術科学大学の留学生サークル”NUTISA”と共催したウォーキングツアー。20人以上の参加者に長岡市を案内し、その魅力を伝えました。

団体運営で大切にしているのは、AILAで学んだ「異なる意見を尊重し、結論を導き出す」こと。現在は、新たなメンバーを加え17人で活動していますが、「学生の活動は卒業による世代交代が避けられません。後輩に私たちの想いを伝えていくには、遠慮なく話し合える関係性をつくることが大事。敬語を禁止し、自分の意見を言い、相手の意見を聞くことを心がけています」と、設立メンバーとの間に壁ができてしまわないように気を付けています。

佐藤さんも、来春に高校を卒業し、OGとして活動を支えていくそう。佐藤さんをはじめとする設立メンバーの国際交流や長岡市の未来に懸ける想いは、後輩たちに受け継がれていきます。

 


本記事は、らこって2020年10月号でご紹介しています。