市民活動に取り組む団体は、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ピンチの時にはスポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っています。それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。では、実際にどんな人がどのように活動に関わっているのでしょうか。活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。
今回ご紹介するのは、“男気溢れる与板のお祭り男”本村正一さんです!
本村正一さん
与板屋台保存協議会
1955年長岡市生まれ。地元長岡市与板町にて与板十五夜祭りの中核を担う傍ら、与板地区スポーツ協会の会長も務めるなど、多方面で活躍中。
とにかく祭りが大好き! 新しい祭りの在り方と伝統の継承を模索|本村正一さん
「僕にとっては、祭り最終日が大晦日!次の日からはまた来年の祭りに向けての1年が始まるんです」と笑いながら話す本村正一さんは、与板十五夜祭りの屋台の継承を目的に活動する「与板屋台保存協議会」の会長。地域からの人望も厚い、自他ともに認める「与板のお祭り男」です。
与板十五夜祭りは、与板町の総鎮守「都野(つの)神社」の秋季例大祭です。江戸時代から継承されてきた屋台の修繕費用を工面する必要性や、少子高齢化により祭りの担い手が不足している現状を踏まえ、2016年に「与板屋台保存協議会」を設立し、会長を務めてきました。 「町内を回って屋台の修繕費用の寄付を募ったり、後継者育成に力を入れたりしてきました。行政支援を最初からあてにはせず、まずは地域内で取り組むことが筋だと思っています」。
また、祭りの担い手を増やそうと、昔からの習わしではタブーとされてきた「地域外からの参加者の受け入れ」にも積極的。過去には与板町で英語教師をしていた外国人男性を受け入れたことも。「古くからの伝統はもちろん大事。でもいつまでも与板の人たちだけのものだと、祭りは絶対に長続きしないと思う。これからは他の地域から来た人たちも巻き込んで、楽しい祭りにしていきたいです」。
本村さんを突き動かすのは、若い世代に祭りを残していきたいという熱い想いです。「都会に移り住んだ若者も多いけれど、皆祭りが好きなんです。お盆には帰ってこなくても、祭りには必ず帰ってくる若者も多いんですよ。皆小さい頃から祭りを見て育っているから、祭りを大切にする気持ちをもっているんです」。
令和時代の祭りの在り方と伝統の継承を模索する男気溢れる本村さん。お祭り男の奮闘はこれからも続きます。
本記事は、らこって2020年10月号でご紹介しています。