市民活動に取り組む団体は、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ピンチの時にはスポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っています。それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。では、実際にどんな人がどのように活動に関わっているのでしょうか。活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。
今回ご紹介するのは、“市民活動のバイプレーヤー”恩田富太さんです!
恩田富太(おんだとみた)さん
自営業/花火の郷しんぐみ会
1975年長岡市生まれ。広告、デザインなどの特技を活かし、郷土史を中心に様々な形で地域活動に関わってきた。
過去と未来をつなぎ ふるさとを後世に残す歯車になる | 恩田富太さん
「何一つ自分からは始めてないんです」と、いつの間にか活動に巻き込まれている恩田富太さん。学生時代は地元に関心がなく、長岡が嫌いで上京。家庭の事情で2004年にUターンした際も、戻る理由を無理やり探して自分を納得させたそうです。
そんな恩田さんが地域に関心を持ち始めたきっかけは、2008年に子ども達に郷土史を伝えるための漫画作成に携わったこと。広告業界に務めた経験を見込まれ「長谷川泰を語る会」から声がかかったものの、最初は渋々引き受けたそうです。しかし「取材を通して、先人より引き継がれる人間性や市民性など長岡の良いところを気づくことができ、郷土史を知ることで自分の世界が広がりました」と、地域を見る目が変わりました。
その後は、郷土史を通じて市民活動に関わってきた恩田さんですが、今は「花火の郷しんぐみ会」の活動が中心とのこと。新組地区には今なお花火師がいて、花火の歴史や文化を地域に根付かせようと活動しています。毎年8月に開催する花火の郷しんぐみ煙火大会では、地域の先人をテーマにした花火や地元の子ども達がアナウンスする花火を打ち上げているそうです。「地元企業や町内会から寄付をいただき花火を打ち上げています。地域の協力で開催できているので、今後も無理のない範囲で継続させていきたいです」。
本記事は、らこって2021年3月号でご紹介しています。