2022.10.15

風の力を操り社会を豊かにする | 株式会社パンタレイ【長岡みんなのSDGs】

長岡みんなのSDGs 株式会社パンタレイ

長岡市内でSDGsに取り組む方たちを訪問!
今回は、『株式会社パンタレイ』さんにお話を伺いました。


 

◆貴社の概要を教えてください

アジアで唯一のSDGsハブ大学である長岡技術科学大学の大学発ベンチャーとして創業した弊社は、国際特許を取得した全く新しい原理を用いた小型風力発電の事業と化粧品や食品をはじめとするドロドロ・ベタベタした液体の物性計測およびコンサルティング事業を行っております。「技学(現実の多様な技術対象を科学の局面から据え直し、それによって技術体系を一層発展させる技術に関する科学)」の理念に則り、社会が豊かになるための価値を創造し続けます。

 

◆取り組んでいるSDGsの目標と、取り組みの内容を教えてください。

7、エネルギーをみんなに そしてクリーンに

SDGsゴール7番の「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」のテーマである「すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する」ために、弊社では誰もが手軽に風力発電を使える未来を実現できるよう事業を進めております。弊社の風力発電は従来の製品よりも、ゆっくり回転しながらも力強いため、人が生活しているような環境でも安心安全に使うことができます。現在は弊社の風力発電を社会に普及させるために試作機の開発および検証を行なっており、2025年には分散型 / 地産地消型のエネルギー源として提供開始します。

 

 

◆取り組みを始めたきっかけと、これまでの経緯を教えてください。

技術的な経緯としては以下の通りです。
長野県の山岳組合の方々が長岡技大を訪問された際に、弊社の高橋が研究していた渦を用いた振動発電を用いて「山小屋の電力を賄いたい」とお話を受けました。振動発電では山岳組合の方々が希望する電力を供給することが難しく、ご提案をお断りしましたが、ずっとそれが心残りで「どうしたら強風でも安心安全に発電できるか」を考え続けて、振動発電で用いられる渦を制御することでブレイクスルーが起こり弊社の風力発電が生まれました。2016年に特許を取得してから、現在まで6年以上を大学で基礎研究を実施しており、会社としては大学の知見をもとに技術を製品に展開するフェーズに至っております。

個人的な経緯としては以下の通りです。
私は2016年に長岡技大に入学してから、地元の企業が母体となっている奨学会に学業の支援をしていただいており、「私も将来自分の会社を通して若い人たちを支援できるようになりたい」「これまで支援していただいた長岡に恩返ししたい」という想いが強くあり、髙橋研究室で開発された技術が社会問題を解決できるものであり、これを社会に普及させる使命があると決意して創業に至りました。風力発電は総合工学であり、多くの企業との連携が必須であります。弊社をはじめとする小型風力が世界的に発展することができれば、新潟や日本の経済を盛り上げることができると信じております。

 

 

◆周囲の反応や、取り組んでいて良かったこと、または大変だった事を教えてください。

「小型風力でみんなが発電できる世界を作ります」と言うと皆様が賛成していただけるのですが、いわゆる「総論で賛成、各論で反対」となる技術的・経済的な課題が多くあります。
ビジョンとして共感していただける反面、現実的な課題を解決するための試行錯誤や地道な協力体制づくりが大変ですが、創業当時の想いに立ち返って事業を進めております。

 

 

◆活動を通して、2030年にどのような社会をつくりたいですか。

SDGsゴール7のクリーンエネルギーに関する技術革新は著しく気候問題は将来的に必ず解決できると思っております。弊社も課題解決の一端を担い、日本独自の分散型/地産地消型エネルギーシステムの創生に貢献したいです。また、弊社のような地方大学発のベンチャー企業が台頭することで、地方の大学に眠っている技術を迅速に社会実装できるエコシステムがある社会を目指します。

 

2022年9月19日(月)FMながおかで放送している、つながるラジオ「長岡みんなのSDGs」のコーナーでも、株式会社パンタレイさんをご紹介しました。ぜひお聞きください!