2022.12.20

会計でみんなを幸せに | ソリマチグループ【長岡みんなのSDGs】

長岡市内でSDGsに取り組む方たちを訪問!
今回は、『ソリマチグループ』さんにお話を伺いました。


◆貴社の概要を教えてください

「ソリマチグループ」についてご紹介します。<https://www.sorimachigroup.jp/

ソリマチグループは、68年前に会計事務所として創業しました。

会計経理にはコンピュータが有効であるということで、いち早く「会計」をテーマにしたソフトウエア会社を設立・分社していき、現在5部門計18社の会社となっています。

主な事業として、

  • 新潟県内の中小企業をお客様とした会計事務所業務や経営コンサルタントを行う事業
  • 中小企業や農家向けの会計や給与、販売管理などのソフトウエアを開発販売する事業
  • 小売店のレジや店舗運営のソフトエアや決済サービスを行う事業
  • ベトナム(ホーチミン)にて農業向けの会計や生産管理システムを開発販売する事業

「会計」を通じて会社の経営が良くなり、社員もお客様も社会もみんなが幸せになってもらいたいという理念で事業を行っています。

ソリマチグループのビジョンは、「会計でみんなを幸せにする」です。

ソリマチグループとしてたくさんの事業やSDGs活動を行っていますが、ソリマチ株式会社は、中小企業向けの会計ソフトを開発販売し、高いシェアを誇っています。中でも35年前に開発・販売した農業簿記ソフトは全国トップシェアであり、札幌から熊本まで9つの営業所にて販売し、たくさんの農家に利用されています。<https://www.sorimachi.co.jp/

さらに、農業簿記ソフトユーザーのデータを預かり、ビッグデータ分析して儲かる農業経営の手法を研究し情報発信する研究所(一般社団法人 農業利益創造研究所)を設立し、日本農業の発展に少しでも貢献できるよう活動しています。
https://nougyorieki-lab.or.jp/

 

◆SDGsの目標達成に向けて、どんな取り組みをしていますか

■ソリマチグループとして

「人のできないことをやる、人のやらないことをやる、世の中のためになることをやる」、ということを経営哲学としていますが、世の中のためというのはまさにSDGsに貢献することです。

グループとしてのSDGs活動は多々ありますが、主なものだけピックアップすると、

2飢餓をゼロに
日本農業が発展継続するための支援、ベトナム国内農業の発展に貢献するソフトウエア開発販売

5ジェンダー平等
「女性が輝く」くるみん・えるぼしの認定「女性の活躍促進賞」「新潟商工会議所 特別賞」ダブル受賞などジェンダー平等実現への取組み

8・9働きがいも経済成長も、産業と技術革新の基礎をつくろう
中小企業や農業経営者向けに会計データサイエンスサービスの提供や、AIを活用した会計プラットフォーム開発への取組み

11住み続けられるまちづくりを
地域清掃活動やエコキャップ運動などの活動や、地域が活性化するシステムの企画開発

15陸の豊かさを守ろう
国際環境NGO団体バードライフの鳥やペンギン等の保護活動に共鳴し、グループ全社員による募金活動の実施

16平和と公正をすべての人に
長岡空襲への慰霊、先人たちへの感謝、平和への願いを込めて、毎年長岡花火を打ち上げ

 

■日本農業への貢献活動として

ソリマチと農業利益創造研究所で共同実施した「農業王 アグリエーションアワード2022」は、まさに持続可能な農業を支援する取組みであり、SDGs活動です。

2飢餓をゼロに
8働きがいも経済成長も
全国の中から優良農業経営者を選出し、その経営の特徴を広く世の中に発信することで、他の農業者へ気づきを与えて日本農業の活性化を支援しています。ひいては農産物の生産がアップ(農業経済が成長)し、日本の食料生産が維持されます。

また、農業が働き甲斐があって儲かる産業であることを多くの人に知ってもらい、新規就農者が増えて日本農業が持続していきます。

◆SDGsの目標達成に向けての活動を始めたきっかけ、これまでの歩み、目的を教えてください

日本農業の実態をご存知でしょうか? 日本の農業経営者の平均年齢は66.8歳です。
農業経営体数の推移は、2010年は160万件、2015年は130万円、2020年は100万件であり、5年間で30万ずつ減っています。

食料自給率は38%と言われていますので、農家数が減ることで日本の食料生産が減少し、自給率もさらに低下する危険性があります。

そういった中で、近年の国際情勢を見ても容易に想像できますが、もし海外からの食料輸入がストップしたら日本は重大な食料危機に直面します。

こういった中で、農業会計ソフトのトップメーカーであるソリマチが日本農業を応援できることはないかと考え、会計ビッグデータを分析し、優良経営の農業者を見つけて表彰し、その経営の特徴を広く発信することで農業の活性化を支援しよう、ということがきっかけです。
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農業王の表彰は今年が初めての開催です。

農業王の選出方法は、
日本全国から応募された青色申告決算書データ(今回は13,000件)を、一般社団法人農業利益創造研究所にて分析し、さらにヒアリング調査も行って、経営の収益性・安全性・成長性・社会性・地域貢献性、そして持続可能性、を兼ね備えた経営者を選考しました。
(北海道から九州までの9ブロックごとに、普通作(米+麦・大豆)部門、野菜部門、果樹部門、畜産部門の4部門の中から、全国で16人の「農業王」を選出)

コロナウイルスを考慮して表彰は集合形式では無く、全国各地を回って現地で行いました。
インタビューでお話を聞くと、とても経営に工夫をされていて、低コストで高い収益を上げていたり、環境に優しい農業をしていたり、地域貢献のお話など聞かせて頂き、この経営の秘訣をまとめた記事を、農業利益創造研究所のサイトで公開し、たくさんの農家の方から見て頂いています。
農業利益創造研究所のサイト
https://nougyorieki-lab.or.jp/
農業王2022 受賞者発表
https://www.sorimachi.co.jp/newsrelease/20220725_agriationaward2022
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具体的な例として、全国の農業王の中で、長岡市山古志の肉牛農家の関さんが選ばれました。

関牧場は、黒毛和牛を90頭飼っています。
経営の特徴としては、子牛を自ら繁殖させる一貫経営であること、震災から復興する際に近所の畜産農家と一緒に牛舎や機械を共同購入したので、減価償却費がとても低くて優良経営であること、新潟県から「畜産安心ブランド生産農場」として認定され安全なお肉を生産していることがすばらしいです。

そして、山古志の闘牛に飼っている牛を出場させたり、11/3には「山古志産業まつり」でお肉を販売したり地域活性化にも貢献しています。

◆周囲の反応や、やっていてよかったこと、大変だったことなどを教えてください

農業王に選ばれた方に農業経営の手法をインタビューしてわかったのですが、みなさん非常に低いコストで高い所得を生み出していました。その理由の一つとして、高額な化学肥料や農薬をなるべく使わない、つまり有機質肥料を使い、低農薬栽培している方がほとんどだったのです。

中には、例として、稲作農家が、畜産農家から糞をもらい肥料にして水田に散布し、そこで育った稲のわらを家畜の餌として畜産農家に提供するという、生態系の範囲内で資源を回していく循環型農業を行っている方も多いです。
まさに地球や環境に配慮したSDGs農業のあり方だと思います。
また、農業王の受賞者はほとんど地域貢献活動をしています。例えば小学生への農業体験活動や地域のブランド農産物を推進する部会の役員をやっているなど。
農業王のこういった事例を発信することで、SDGs農業の考え方を広めたいと思います。

そして、受賞した農家さんからは本当に喜んでもらって、「今までもくもくと農業をやってきただけで、特に自分がすごいことをしているとはまったく思っていなかったが、こうやって他の人から認めてもらえて本当にうれしいです、今まで頑張ってきてよかったです」と皆さん言っておられました。
時には、「ちょうど収穫した野菜があるから持っていきなさい」とたくさんの農産物を頂いたこともありました。

◆今後の活動を教えてください

■ソリマチグループとして
中小企業や農家に対して、会計ソフトやデータサイエンスによる各種サービス、経営コンサルを提供していくのは勿論ですが、今後は、Fintech/フィンテック(金融サービスと情報技術を結びつけた今までにない革新的な取組み)のサービスを開発・提供して、小さな企業が社会でもっと活躍できるような基盤を作っていきたいです。

■日本農業への貢献活動として
農業王の継続は勿論ですが、農業会計データサイエンスを通じて、農業発展のお役に立てるサービスを農業経営者や農業団体に提供していきたいです。

「会計」というテーマで、世の中の発展に貢献し、みんなを幸せにしていきたい。

 


2022年11月21日(月)FMながおかで放送している、つながるラジオ「長岡みんなのSDGs」のコーナーでも、ソリマチグループさんをご紹介しました。ぜひお聞きください!