2023.01.30

立場を変えることで見えた 次世代へつながる教育活動 | 関 愛さん

地域をよくするウワサのあの人にインタビュー!毎月、市民活動に取り組むプレイヤーをご紹介。活動に関わったきっかけや、どんな役目を果たしているのか伺う中で、活動への多様な関わり方が見えてきました。

立場を変えることで見えた 次世代へつながる教育活動

関 愛さん
37歳/高校非常勤講師/教育コーディネーター
1985年長岡市三島生まれ。高校教員を経て、現在は非常勤講師として働く傍ら、フリーランスで学校教育や社会教育に関わる。

「今朝も玄関を開けると野菜のお裾分けが置いてありました」と、ご近所さんと顔が見える関係性の中で育った関愛さんは、地域とは違う視点を持つために留学や旅で文化や価値観の多様性にふれました。そこで気づいたのが育ってきた環境が当たり前でないことや相手を尊重しお互いが学び合うことの重要性だそうです。「地域に見守られながら育ち異文化を体験した私が教材になることで、子どもたちの学びにつなげることができると考えたので教員になりました」。

自身の経験をもとに、地域の人や団体と協働した教育活動を進めていくために、学校の「外」とつながった学びの場づくりに挑戦。しかし、受験やテストでの評価が重要視される学校教育の現実に、ジレンマも感じていたそうです。「理想と現実のギャップに悩み、思い切って教員を辞めました。学校の外から教育に関わることで、地域と学校をつなぐコーディネーターになろうと思いました」。

教員を辞め外部講師として学校と関わるようになった関さんが、立場を変えたことで見えるようになったのが、目的を持った教育の大切さ。依頼を受けたときには、担当者や先生との打ち合わせを大事にすることで、その時間の「学習のねらい」を意識した授業やコーディネートを実践しているそうです。「現場にいたときと違う視点をもてたことで、より子どもたちの関心や先生の苦悩に目を向けることができるようになりました。『何のために』を大事にして、日々活動しています」。

小学校への出前講座の様子。ほかにも行政の職員研修や市民向けの講座を担うこともある。

今後の展望は、地方だからできる困ったときに助け合えるコミュニティを創っていくこと。そのために関さんは、変化の激しい時代を生きる子どもたちに必要な力を育んでいく教育を実践していくそうです。「子どもの未来に選択の幅を増やしていきたいです。地域で学校教育を支えていける環境をつくり、子どもの学びを創るためにできることを地道に重ね、地域の未来に貢献していきたいです」。蒔いた種が素敵な花を咲かせるように。次世代へつながる関さんの活動に今後も期待したいです。


本記事は、らこって2023年1月号でご紹介しています。

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