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更新日:2018.06.21

地域をよくするウワサのあの人にインタビュー!【星野 勇人さん】

市民活動に取り組む団体には、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ユーモアでみんなを和ませるムードメーカー、ピンチの時には、スポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っていることが多くあります。

それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。

では、実際にどんな人が、どのように活動に関わっているのでしょうか。
活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。

 

今回ご紹介するのは、日本一のさいの神を支える大工、星野勇人さんです!

 

愛するふるさとで技術を活かす
先輩大工からつなぎ「世界一のさいの神」へ

星野勇人さん〈44歳/大工〉古志の火まつり実行委員会、商工会青年部、山古志仕事唄伝承の会

 

山古志地域で毎年3月に開催される「古志の火まつり」は、その年の無病息災・五穀豊穣、震災からの復興を祈願するお祭りです。地域内から切り出したご神木を立て、その周りを木で組み、住民が持ち寄ったカヤを掛けてつくったやぐらに火をつけます。高さ25m級の「日本一のさいの神」のやぐらをつくるのは、市内から集まる20名の職人たち。そして棟梁として現場をまとめるのが山古志地域で大工を生業とする星野勇人さんです。

▲古志の火まつりの様子。点火役の新成人が安全に点火できるように誘導役を務める。

やぐらづくりに関わり始めたのは27歳の時。大工の父親からの勧めをきっかけに、地域の先輩大工に交じって、木の組み方や手順といった知識や技術を身に着けていきます。「父は、小さいころから細かいことを言わない人で、仕事でも現場にどんどん出させられました」。

▲大工や庭師などの職人たちとは、定期的に交流会を開き、親睦を深めている。「命綱を付けた高所作業もあり、信頼関係が大切。私自身も安心してみんなに任せられています」

 

若いときから経験を積んだ星野さんは33歳の時、視野の広さと気配りを買われ、初めて棟梁を任されました。これまで当日に行っていた作業のうちで事前にできることは前倒しで準備をしたり、これまで口伝えだったやぐらの組み方を図面化。また新たに地域外からも職人を入れるなど、先輩大工のやり方を基に、工夫を加えて祭りをつないでいます。「地域外からわざわざ足を運んでくれたお客さんが、涙を流して感動してくれる姿に、やりがいを感じています」。棟梁を担って来年で10年。続けてきたからこそ感じられるふるさとへの愛着が、手間と工夫を怠らない星野さんの仕事ぶりに現れています。
来年30回目の開催となる古志の火まつりに向け、星野さんは信頼できる職人たちと共にさいの神を更に大きくしたいと意欲を燃やしています。勢いよく最後まで燃え上がるさいの神となることを期待しています。

 

▲来年3月の古志の火まつりに向け、今年4月からご神木の選定と手入れが始まっている。一年がかりの作業。