市民活動に取り組む団体は、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ピンチの時にはスポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っています。それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。では、実際にどんな人がどのように活動に関わっているのでしょうか。活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。
今回ご紹介するのは、“「音楽の森」のオーガナイザー”荒井能弘さんです!
荒井能弘(あらいよしひろ)さん
音楽の森プロジェクト/財団法人 事務職
1967年、新潟市秋葉区(旧新津市)生まれ。学生の奨学・助成事業を行う団体の職員。木の伐採を頼まれるなど地域の人にも頼られている。
「いいね。やってみよう」様々な出会いから生まれた、森の音楽フェス|荒井能弘さん
音楽と森林が好きだという荒井能弘(よしひろ)さん。1997年、結婚を機に小国に移住。それまでは就職や人生観などで迷うこともあったそうですが、目標を見失っていた時に行ったインドへの旅で迷いが晴れたそう。現地の人々の生きる活力を目の当たりにしたことで、人生はもっと多様なものであることに気づき、気持ちが楽になったと言います。その後、日印の文化交流活動を手伝い、社会貢献的な経験が今の活動の原点になりました。
小国では森林に直接関わる仕事に就いたこともあり、森林を活かした魅力的な地域づくりに貢献したいという思いが強まりました。「音楽フェスをやったらどうか」という仲間の一言から「音楽の森」がスタート。「演奏活動をしていたわけではないので、人脈は全くありませんでした。ひたすら周囲の人に話しかけたり、気になるイベントに出かけたりして、情報や協力者を集めました。」最初は協力者との関わり方も難しかったそうです。「協力してくれる人とのコミュニケーションを大切にしたいと思っています。実際にはつらくなってしまうこともありましたが、お互いに無理のないペースで関わりながら価値あることを作っていきたいと思うようになってからは、より楽しく活動できるようになりました。」
荒井さんの行動は、ともすると場当たり的に見えることもあったかもしれません。しかし天性のバランス感覚で、良い結果に向いてしまうのが荒井さんの持ち味です。2015年に始めたイベントは今秋で6年目を数え、回を追うごとに認知度も高まってきました。多彩なジャンルの音楽演奏に限らず、飲食やワークショップなど様々な催しも人気の一つとなっています。
「音楽と森林の豊かさを感じながら、心地よく過ごしてもらえたらうれしいです。そして、より多くの人から愛されるイベントにしていきたいと思っています。」
本記事は、らこって2020年12月号でご紹介しています。