Nagaoka Players PLAYER

更新日:2026.04.29

「楽しい」をまちにつくる。―居心地のいい居場所からはじめる一歩。|上杉智恵子さん

長岡のまちづくりプレイヤーにスポットを当てるインタビューシリーズ。
今回は、与板地域の「河川緑地 たちばな公園」にやってきました。桜が舞い散る中、緑の帽子をトレードマークに活動する「与板まちづくり女子」の上杉智恵子さんにお話を伺います。

「パンダの目が怖い!」から始まった公園再生

――今日は与板のたちばな公園にやってきました。目印の緑の帽子も素敵ですね。よろしくお願いします。

上杉:

よろしくお願いします。

――上杉さんが所属されている「与板まちづくり女子」とは、どのような団体なんですか?

上杉:
2024年の夏、与板支所が「まちづくりで楽しいことをしたい女子、集まれ」と、ゆるい感じで募集したのがきっかけで集まったメンバーです。最初からやることが決まっていたわけではなくて、みんなで「何ができるかな」と話し合いながら、与板の魅力をアピールするイベントや企画を考え始めました。これまでに学用品を中心としたリユース会や美をテーマにした「美フェス」というイベントを開催してきました。

――今、私たちが座っているこの野菜の形の椅子も、皆さんが塗られたんですよね。

上杉:
そうなんです。実はこの遊具、私が子どもの頃からあるものなんですが、以前は色が剥げていて、「ヴィンテージ感」がありすぎるというか……ちょっと残念な感じだったんです。

上杉:
特にこのパンダは、以前、東京の友達に「目が怖い」と言われたことがあって(笑)。それがずっと気になっていて、「パンダを塗り直したい!」という私の個人的な思いをメンバーに話したら、「いいね!」と盛り上がって、イベントとしてみんなで塗ることになったんです。

――実際に子どもたちと一緒に塗ってみて、いかがでしたか?

上杉:
親子連れなど20人くらいが参加してくれました。子どもたちが塗ってくれたおかげで、手づくり感のある、生き生きとした表情になりました。自分で塗った遊具には愛着が湧くみたいで、子どもたちが「僕が塗ったんだよ」と大切に使ってくれるのが嬉しいですね。

 

遠距離通勤を経て、見つけた「居場所」

――上杉さんご自身は、ずっと与板にお住まいなんですか?

上杉:
生まれも育ちも与板ですが、大学進学を機に一度離れました。大学卒業後は上越市役所に長く勤めていました。ただ、いつか地元の与板に帰りたいという思いはずっとあって、12年ほど前に「実家に戻ろう」と決めたんです。それから準備を進めて、2014年に子どもと夫と一緒に与板の実家に戻ってきました。

――ご夫婦で転職されたんですか?

上杉:
いえ、夫は転職しましたが、私は前の職場を続けました。上越まで片道1時間かけて、10年近く通い続けていたんです。

――10年も。それは大変でしたね。

上杉:
最終的には家と職場の往復だけで精一杯になってしまって。家族が食べ終わった後に一人で夕食を食べるような生活になって、「これ以上は続けられない」と思い、2024年に退職しました。
そのときに「自分が本当にやりたいことは何だろう」と探していたタイミングで、ちょうど「与板まちづくり女子」の募集があったんです。

――まさに運命的なタイミングですね。

上杉:
そうですね。今はパート勤めをしながら活動していますが、ここは私にとって「自分のやりたいことを形にできる自由なフィールド」のような感覚です。

メンバーのみんなも「何でもいいよ、やろうよ!」と受け入れてくれるので、そんなふうにチャレンジできる環境があるのは本当にありがたいですね。

「楽しい思い出」が、このまちを好きになる理由

――与板地域への強い愛着を感じますが、その原動力はどこにあるのでしょうか?

上杉:
「なんでこんなに与板が好きなんだろう」と考えたときに、この町自体に魅力があるのはもちろんなんですが、それに加えて子どもの頃の楽しい思い出や、ほっとする記憶があるからだと思うんです。

――ご自身の原体験が、今の活動につながっているんですね。

上杉:
はい。だから、今の子どもたちにも「与板は楽しいまちだ」という思い出をたくさん作ってほしい。それが、このまちを好きでい続けてもらうための一番の近道だと思っています。
私たちが楽しそうに活動しているのを見て、「なんだか楽しそうでいいね」とか、「羨ましい」と言ってもらえたのも、すごく嬉しかったですね。

あなたにとって「市民活動」とは?

――最後に、上杉さんにとって「市民活動」を一言で表すと何でしょうか?

上杉:
「とっても居心地のいい居場所」ですね。

――居場所、ですか。

上杉:
自分のちょっとしたアイデアを面白がって形にしてくれる仲間がいる。自分が楽しんで活動することで、誰かも楽しくなれたらいいなと思っています。これからも無理をせず、ゆるく楽しみながら、まちにちょっとした「面白い工夫」をプラスしていきたいです。

次なるターゲットは「キノコの家」!?

インタビューのあと、上杉さんは公園内にあるほかの遊具たちも案内してくれました。

上杉:
まだまだ塗りたい遊具がたくさんあるんです! 次は、このおむすびコロリンの「ネズミさん」とか。

――このウサギとタヌキも、なかなか年季が入っていますね。

上杉:
カチカチ山のシーンだと思うんですけど、今にも燃え尽きそうな色になってますよね(笑)。そして一番の大物は、この「キノコの家」!

――これを塗ったら、かなり目立ちそうですね。

上杉:
素敵な家にリフォームして、壁に絵を描いたりできたら楽しいなって妄想しています。公園のオブジェを全部塗り終わる頃には、たぶん最初に塗ったものがまた剥げてくるんだと思います。でも、そうやって繰り返しながら、公園が少しずつ明るくなっていくのが楽しみです。

 

上杉さんのインタビューはYoutubeでもお楽しみいただけます!記事にできなかったお話もたくさん!ぜひご視聴ください。