Nagaoka Players PLAYER

更新日:2026.09.11

一人ではできない。でも、みんなとなら超えられる。|「誰かの夢応援“&ME”プロジェクト」・髙木聖愛さん

長岡のまちづくりプレイヤーにスポットを当てるインタビューシリーズ。
今回は、「誰かの夢応援“&ME”プロジェクト」代表の髙木聖愛さんにお話を伺いました。
看護師として働きながら、「病院の外でも人の健康に関わることができないか」と模索してきた髙木さん。ながおか市民協働センターを運営するNPO法人市民協働ネットワーク長岡の連続講座「LIFEMAPACTION」への参加をきっかけに、仲間とともに最初のイベント、夢トークを実現しました。
  
一人では踏み出せなかった一歩が、どのように大きな挑戦へつながっていったのでしょうか。

髙木さんのインタビューはYouTubeでもお楽しみいただけます!
記事にできなかったお話もたくさん。ぜひご視聴ください。


病院の外でも、看護師としてできることを


――まず、髙木さんご自身について教えてください。

髙木聖愛さん(以下:髙木):柏崎市出身で、今はもう長岡が地元という気持ちで暮らしています。普段は看護師として働いていて、同じ職場に勤めて11年ほどになります。

――看護師として働く中で、別の活動を始めたいと思ったのはなぜですか?

髙木:きっかけの一つは、新型コロナウイルスの流行でした。病院には、すでに病気やけがを抱えた方が来ます。でもコロナ禍では、それまで健康だった人が体調を崩したり、心を病んだりする姿も多く目にしました。

その中で、「看護師として、自分に何ができるんだろう」と考えるようになったんです。病院の中だけにとどまっていてはいけないような気がしました。

ただ、何をしたいのか、どんな存在になりたいのかは、まだ全然見えていませんでした。「何かを始めたい。起業なのかもしれない。でも、何で起業したいのかも分からない」。そんな状態で、5年くらい模索していました。


「一人では動けない」自分が見つけた入口


――そんな時に出会ったのが、「LIFEMAPACTION」だったのですね。

髙木:長岡駅でポスターを見て、「誰かとはじめる一歩なら、今、踏み出せるかもしれない」というキャッチコピーに引っかかりました。「これだ」と思って。最初の回は仕事で参加できなかったのですが、どうしても参加したくて連絡しました。あの企画がなかったら、今ここにはいないと思います。


――参加する前から、やってみたいことのイメージはあったのでしょうか?

髙木:ぼんやりとはありました。でも、一人で実現するのは難しいし、誰とやればいいのかも分からない。ずっともんもんとしていて、そこにLIFEMAPACTIONの募集を見つけて、飛び込んだという感じです。


――初めて会う人たちとチームを組むことに、不安はありませんでしたか?
髙木:むしろ、怖い気持ちの方が大きかったです。過去の経験もあって、大人数の女性とチームで何かをすることに苦手意識がありました。

でも、実際に参加してみると、自分を改めて知るきっかけになりました。情熱のある方が多くて、今では皆さんと一緒に活動することがとても楽しいです。

経験ゼロの仲間とつくった「夢トーク」


――LIFEMAPACTIONから生まれたのが、「誰かの夢応援“&ME”プロジェクト」です。最初はどんな活動をしたのでしょうか?

髙木:メンバーで話していく中で、共通していたのが「自己肯定感」や「自分を大切にすること」というテーマでした。誰かの夢を応援したい。では、その夢って何だろうと掘り下げていった時に、自分たちがやりたいことが重なったのが、自己肯定感へのアプローチだったんです。

そこで、昨年11月にメンバーがパネラーとなり、夢に向けて一歩踏み出せたきっかけをテーマにライブトークとワークショップを行う「夢トーク」というイベントを企画しました。私たちを含めて40人ほどが集まりました。

――イベント経験のないメンバーが、約3か月で一から企画したのですよね。

髙木:本当に、みんな何もやったことがなくて、「気持ちだけ」という状態でした。でも、「やると決めたから、やろう」と進んでいきました。

一番難しいなと感じたのは、人に頼ることです。私はもともと、人から仕事を振られるのが得意ではないので、自分から誰かに役割をお願いすることにも遠慮がありました。しかも、自分自身も企画や運営の経験がない。誰に何をお願いすればいいのかも分かりませんでした。

それでも、進めるためには「これをお願いできますか」と言わなければいけない。相手の状況にどう配慮するか悩みながら、少しずつ任せられるようになりました。


――一人で全部を背負うのではなく、それぞれができることを持ち寄ったのですね。
髙木:そうですね。私は、とりあえず旗を振って、「これをやりたい」と言い続ける役なのかなと思っています。

安心できる人との出会いを、長岡にも


――最初のイベント後も活動を続け、今度はモデル・インフルエンサーとして活躍する高橋アランさんを長岡へ招く企画に挑戦しています。なぜアランさんだったのでしょうか?

髙木:実は以前の私は、今のように笑って人と話せる感じではありませんでした。家庭環境や自分の名前、見た目など、いろいろなことが重なって、10代の頃から摂食障害や対人恐怖も経験しました。自己肯定感は、もうどん底でした。

自分を変えたくて、世の中にあるいろいろな方法も試しました。でも、どれもしっくり来なかった。そんな時、Netflixの『THE BOYFRIEND』でアランさんの生き方や言葉に触れたんです。最初は違和感もあったのですが、なぜか「この人に会いに行かなきゃ」と直感して、実際に会いに行きました。


――実際に会って、何を感じましたか?

髙木:言葉にするのが難しいのですが、ただ目の前にいるだけで肩の力が抜けて、安心感を覚えました。「私が求めていたのは、こういう人や場所だったんだ」と感じたんです。

人は、比べられたり、否定されたりすることがあります。でも、いろいろな違いを全部受け入れてもらえるような環境が、私にとっての安心につながるのだと思います。肩書きやラベルがあってもなくても、どんな状態の自分でも、そこにいていいと思える場所です。

――ご自身が受け取ったものを、長岡の人にも届けたいと思ったのですね。

髙木:そうです。自分だけのものにしてはいけない、周りへ流していきたいと思いました。それが循環していくことを、私は幸せに感じます。私自身の幸せにもなるし、皆さんの幸せにもつながるのではないかと思っています。


仲間を集めるより、自分の軸をぶらさない


――大きな企画を一緒に動かす仲間は、どのように集めたのでしょうか?
髙木:「集めよう」と思って集めたわけではありません。まず、自分が大切にしたい価値観や、届けたい思いをブラさないこと。「私はこれをやりたい」と、いろいろな場所で種をまくように話していたら、共感してくれる人が集まってきました。言うだけなら無料なので(笑)。

もちろん、途中で気持ちが揺れることはあります。そんな時は、最初に感じた安心感や体感を思い出します。「自分は本当にこれをやりたいんだ」と確かめながら、前に進んできました。

「分かりません。助けてください」と言える強さ


――9月26日、ついに高橋アランさんをゲストに迎えてイベントを開催しますね。今はどんなことに取り組んでいますか?


髙木:全部が大変です(笑)。集客も、チケット販売も、会場運営も、やったことがないことばかりです。だから市民協働センターへ相談に行ったり、いろいろな人に話を聞いたりして、人とのつながりを切らさないようにしています。

「分かりません。助けてください。でも絶対にやり遂げたいんです」と伝えて、教えてもらったことを一つずつやっています。

――会場を借りて、受付や交流会の設営まで事前に練習していましたね。


髙木:自分たちの不安を減らすためでもありますが、一番は、来てくださる方に不快な思いをさせず、楽しんでもらうためです。「自分だったら、こうしてもらえたら嬉しい」と思うことをやっているだけなんです。

でも、やり方は分からない。だから練習します、ということです。


誰かと一緒に動くことで、自分も変わった


――この1年、仲間と活動したことで、髙木さん自身にはどんな変化がありましたか?


髙木:一緒にいる人やチームの存在は大きいと感じます。イベントに来てくださった方から「勇気をもらいました」と言っていただけると、やっていてよかったと思います。

周りからは、顔つきや振る舞いが変わったと言われることが増えました。私自身、以前はこんなに明るい性格ではなかったので、仲間の存在によって変わったのだと思います。


――活動する上で、大切にしていることを教えてください。

髙木:関わってくださる皆さんを信じ、味方でいることです。そして同時に、何があっても自分自身の味方でいること。それは、強く心に決めています。


どんな自分も受け入れる、五感で感じる一日


――最後に、9月26日に開催するイベントについて教えてください。
髙木:自分で何かを始めたいと思った時、起業塾などでは方法やノウハウを学ぶことができます。それも必要ですが、その前に「自分はどうありたいのか」「どう生きたいのか」という土台を定めることが大切だと感じています。

起業に限らず、「自分は何をしたいんだろう」と考えている人にとっても同じです。嫌いな自分、落ち込んでいる自分、最悪だと思う自分も含めて、「これも自分なんだ」と受け入れるきっかけになるようなイベントにしたいと思っています。


――一般的なトークショとは少し違うそうですね。

髙木:ただ座って話を聞くだけではなく、音や香り、食べもの、人のあたたかさなど、五感で感じられる一日にします。私がアランさんと出会った時に感じたように、「どんな自分でも、ここにいていい」と思えるきっかけを持ち帰ってもらえたら嬉しいです。

 

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