「リノベーションで地域活性化」
空き家は地域の資源かも!?
今、私たちのまちが抱えている様々な課題に、それぞれの特性を活かして向き合い続けている市民活動団体をご紹介します。今月のテーマは、「リノベーションで地域活性化」。使われなくなった建物や空き地を有効活用し、人のつながりや地域の賑わいを生み出している事例を見ていきましょう。
[Before]アパート>>>[After]シェアハウス&アトリエ
長岡市渡里町にある「416 STUDIO WATARIMACHI」は、約10年間使われていなかった鉄筋コンクリートのアパートをリノベーションしたシェアアパートです。リノベーションで長岡の暮らしをより楽しく豊かにすることを目的に活動している一般社団法人 家守同人が、掃除や壁の塗装をワークショップ形式で行い、学生を中心に一般の方に参加してもらいながら改装しました。1階には住民が自由に使える共用ルームがあり、人に会いたくなったらそこで交流ができる、居住と交流が同居するアパートです。
[Before]倉庫>>>[After]フリースペース
大手通のコスモ和第二ビル3階にある「コモンリビング」は、「自分たちで集まれる場所を作りたい」という想いのもと、元事務所兼倉庫をリノベーションした、非営利かつ自主的なフリースペース。長岡駅近くにあり、誰でも利用できるフリースペースと、会員や予約者だけが利用できるアトリエから構成されています。自由な発想で使ってもらいたいと、禁止事項を出来る限り設けずに運営。トークイベントや交流会、音楽イベント、ワークショップなど、利用する人によって様々な使い方がされています。利用者の好奇心に耳を傾け、それを実現する場所として、そこに集まる人たちの日常に楽しみを添えています。
[Before]商店>>>[After]ギャラリー
栃尾の商店街にあり、アート作品の展示や写真展だけではなく、マルシェなどのイベントにも使われているギャラリー「白昼堂堂」。きれいな白い壁とおしゃれな天井照明が印象的ですが、改装前はスポーツ用品店の店舗兼住居だったそう。地域で活動するアーティストからは、「過疎化が続く地元でこのような新しい表現の場ができた」と喜びの声が聞こえています。地域の人たちがアートに触れる機会を提供しているだけではなく、地域外の人が栃尾を訪れるきっかけにもなっており、新たな交流の拠点として機能しています。
[Before]空き地>>>[After]地域の交流の拠点
リノベーションは、建物だけの話ではありません。かつて盆踊りや駄菓子屋、映写会などで賑わった地域の中心だった熊野神社の境内。「椿の森倶楽部」は、いつからか使われなくなったこの場をもう一度地域の人たちが寄り合う場所にしようと立ち上がりました。これまでに、ミニSLの走行や製作を体験する「SL塾」や、手作りの石窯でピザを焼き、コーヒーを一緒に楽しむ「石窯&コーヒー塾」などのイベントを開催しており、地域内外、老若男女問わず誰もが「寄ってたかってしゃべれる場所」として、地域に賑わいをもたらしています。
数が増えたことでその存在が問題視されがちな空き家や空地ですが、角度を変えてみれば、地域に賑わいをもたらすための資源のひとつと言えるのかもしれません。今ある空き家や空き地が、市民のアイデアと創意工夫によってどのように生まれ変わり、何をもたらすのか、とても楽しみですね。
メンバー&参加者の声
本記事は、らこって2021年8月号でご紹介しています。