更新日:2017.11.08
【向日葵の会活動レポート】発足20周年記念公開講座「摂食障害を語る」
[開催報告]
発足20周年記念公開講座「摂食障害を語る」
10月29日(日曜日)、発足20周年記念公開講座「摂食障害を語る」を開催致しました。
荒天にもかかわらず、多数の方々からご参加いただきました。
定員70名で予約を受け付けていましたが、当日会場に直接来られた方も是非ご一緒にと思い、更に20名程の皆様からもご参加頂きました。
摂食障害を抱えている娘さんご本人、そのお母さん、摂食障害を回復された娘さんご本人、他にも色々な症状を抱えている方々、
教育現場や医療現場からもお越し頂きました。
第一部では精神科医の鈴木伸子先生、カウンセラー2名、摂食障害を回復された娘さんを持つお母さん2名、
計5名の方々から講演をして頂き、第二部では5名の方々のディスカッション及び会場からの質疑応答を行いました。
講師にお迎えした鈴木先生は、現在神奈川県にある相州クリニックや他2か所において患者さんと関わっていられる現役のお医者様です。
この長岡では1996年~2000年 長岡西病院に勤務されていました。
診療後、待合室でお母さん方と色々なことを(診療では聞いたり話したりしなかった日常で起こる様々な出来事、
悩んだり苦しんだり、切なかったり辛かったりした事)語り合ったり、聴き合ったりするうちに、親の会の大切
さを皆で確信し、発足する運びとなったそうです。
この20年の間に親の会の存在がどれだけのお母さん達やご家族の方、そして摂食障害を抱えてる娘さんたちの心を助け、
楽にしてきたか一言では言い尽くせません。
実際に摂食障害の娘さんに関わってこられたお母さんの生の声には会場の皆さんも涙を流して聴いていられました。
第2部での質疑応答の内容をいくつかご紹介します。
Q. 環境や自分を取り巻く人間関係によって、突然摂食障害が治るということはありますか?
A. 「治る」と言うことについて考えてみて下さい。
”食べ吐きする” ”食べない” ”食べすぎる”というのは、気持ちを言えず押し殺してしまう為に起こる症状です。
食べる口、吐く口、食べない口も、物を言う口も同じです。
気持ちが言えるようになると自然に症状も回復してきます。
「治る」ということは”症状”が無くなることではなく気持ちが回復するということです。
Q. 具体的に親のサポートの仕方やかける言葉を教えて下さい。
A. 各家庭、その時々によって違いますが、基本的には母も子もお互いにお互いのことを認め合えるのが大事です。
「私はこう思う」「あなたはこう思うのだね」と言う会話のベースがあると良いと思います。
子供は気持ちを言えなくなってしまいます。(わからなくなっています)
まずは、子供の言うことを聴いてあげましょう。
否定も意見もせず、じっくりと聴くことから始めましょう。
具体的事例は、向日葵の会で実際に語り合いながらアドバイスをもらい、お母さん自身が気づき、家庭に帰って実践して
行くと良いと思います。
Q. お母さんが楽になると、娘さんにどんな風に効果があるのでしょうか?
A. 日常の中で、お母さん自身が世間体や一般常識、家族の中での気遣い等々に縛られて生きている中で、
娘さんの摂食障害が起きてくると、娘さんに向き合うべき前に他のことに気を使ってしまうのが現実です。
お母さん自身がまず、自分はこれで良いのだ、人と同じ必要はない。私は私だと自分を認めて楽になることです。
自然にお母さんの出している空気がほんわかになってくると娘さんに伝わってきます。
暖かく柔らかい空気の中でいやされると(お母さんが楽になると)娘さんも気持ちが緩んできて、
自分は自分でいいと言う自己肯定感が生まれてきます。
以上、ほんの一例にしか過ぎませんが三点ほどピックアップしてみました。
会場ではもっと沢山の話が出ました。
皆さん、日々のことで途惑ったり、悩んだり、苦しんだり、辛かったりしていられるのがひしひしと感じられる第二部の内容でした。
限られた時間の中では、十分にお答えすることが出来ず、まだまだ質問等もおありになったと思いますが、
終了時間を延長しての閉幕になりました。
最後に会場からご協力を頂いたアンケートに記入された一例をあげさせてもらいます。
皆さんの心の内が切々と感じられたアンケート用紙はほとんどの方々がご記入下さいまして、心より感謝致しております。
ありがとうございました。
◦ 医療機関だけでは治らない、親の会の必要性が良くわかった。
◦ 新潟県は広いので、上中下越、魚沼、秋葉区、等々でこの向日葵の会を開催して欲しい。
◦ 講演されたお母さんの生の声を聞いて、自分の親の気持ちもわかって良かった。
◦ みんな不安な気持ちは一緒だと思った。
◦ 公開講座に来て心が軽くなった。
でも、家庭に帰るとまた心が暗くなる。
◦ 勤務先の生徒が当事者である為、この機会に参加してみて、色々と知ることが出来た。
◦ 摂食障害の娘さんと共に歩んでこられたお母さんの話を聞いて、親=1人の人間として共に成長されてきた貴重なお話が胸に迫りました。
◦ 精神科医やカウンセラー、お母さんの講演を聞いて、子供を通して自分を見つめるという言葉が少しずつわかってきたと思う。
◦ 講演内容はよくわかったが、実際の自分は親として娘の摂食障害を理解することはまだまだ難しいです。
◦ 私は様々な支援活動を行っています。
今日の機会を得て、私自身の学びも続けて行きたいと思います。
◦ 摂食障害の病気はなかなか世の中の人達からは理解されにくい部分があるので是非今後も公開講座をやって欲しい。
◦ 娘に寄り添うことを大切にしていきたいと思った。
◦ 自分の気持ちが誰かを傷つけるかも….と思ってなかなか言えません。
早く治したい。
◦ 一度過食をすると一気に不安で一杯になってしまう。
外出することも他人の目が気になり不安で自身がない。
◦ 参加してみて以前とは違う気になった。
糸口が見い出せるのではと思っている。
ただ、子供を傷つけるのでは?とビクビクして過ごして生活をすることに疲れている。
◦ 摂食障害に限らず、自分の気持ち、心の中を打ちあけることが出来る場が必要だと思いました。
※まだまだ沢山のお気持ちが詰まったアンケート用紙を頂いてます。
ここだけでは掲載しきれませんが、皆様本当にありがとうございました。
今回このような公開講座を開催するにあたり、市民協働センターの担当者様にはとても親身に関わって頂きました。
4月から準備を始めて、今日の日を迎えるまで向日葵の会としても様々な勉強をさせて頂きました。
長岡市教育委員会様より後援を頂き、長岡市市民活動推進事業補助金を受けて活動させてもらいました。
鎌倉からおいで頂いた精神科医の鈴木伸子先生をはじめ、西長岡こころの保健研究所所長の栗田さん、
臨床心理士の服部さん、そしてこの会にご参加下さいました皆々様のご協力のおかげです。
本当に心より感謝致します。
有り難うございました。
今後とも摂食障害親の会、向日葵の会は少しでも皆様のサポートを出来る場として存在し、活動を続けていきたいと思っています。
目標は、お母さん達の心が助かっていくこと。
・・・・・お母さんが安心して生きれば
病んでいる子どもに向き合うことができます。・・・・・
~主体はお母さんです~
向日葵の会の情報はこちらから
https://nkyod.org/group-list/s390223