長岡みんなのSDGs SDGs

更新日:2026.05.06

廃棄物だった“おから”が地域の宝物に|一般社団法人長岡100歳大学院食農グループ

長岡市内でSDGsに取り組む団体にスポットを当てる「長岡みんなのSDGs」。

今回は一般社団法人長岡100歳大学大学院 の、新原学長、食農グループの高桑さんにお話を伺いました。
地域に眠る「もったいない」に知恵を絞り、仲間と笑い合いながら価値を変えていく。そんな長岡の市民活動の最前線をご紹介します!

 長岡100歳大学大学院とは―40歳から始まる「地域の担い手」への道

2023年に誕生した「長岡100歳大学大学院」は、一風変わった学び舎です。対象は、退職後や子育てを一段落させた40歳以上の大人たち。単に趣味を学ぶのではなく、自分の興味を深掘りし、その学びを再び地域へ還元する「地域の担い手」を育成することを目的としています。

「100歳大学」という名には、何歳になっても学びを止めず、挑戦し続けるという力強い決意が込められています。現在、学生たちは自分たちが掲げたテーマごとにグループを組み、実践的な研究を重ねています。その中でも、ひときわ成果を上げているのが、今回ご紹介する「食農グループ」です。

もったいないを「お宝」に!栃尾の「おから」から生まれた味噌革命

食農グループが取り組んでいるのは、栃尾名物・油揚げの製造過程で生まれる「おから」の活用です。この活動は、地域の課題を新たな特産品へと変える取り組みです。
食農グループの高桑さんは、ある時テレビでおから味噌の存在を知りました。その後、栃尾の油揚げ店から出るおからが現在は大量廃棄されていることも知りました。おからはかつては家畜の餌として重宝されましたが、現在は引き取り手が激減。1kgあたり40円の費用をかけて廃棄されているのが現状でした。

「栃尾の素晴らしい大豆から生まれたおから(お宝)を捨てたくない!」という一心で、翌日にはおからで味噌づくりを試すべく、麹を買いに走り、独学で研究を開始。その情熱が仲間を動かし、10名ものメンバーが集まる大きな活動へと発展しました。

おからは大豆の恵みをまるごと含んでいる、栄養バランスに優れた宝庫。廃棄されていたものが実はいかに価値ある資源であったかを物語っています。

味噌づくりが「魔法」になる理由
簡単・時短・そして驚きの美味しさ

通常の味噌づくりは豆を浸水し、蒸して潰すのに数日間を要しますが、おから味噌は計量を除けばわずか30分で仕込み完了。 重労働が一切不要なため、保育園の子どもから高齢者まで、袋で材料を混ぜるだけで誰でも楽しく作れます。アクセントに栃尾産の「どぶろく」や「ワイン」を使用すると、芳醇な香りと深みのある味わいを生み出しました。 

また「おからパン粉」としての活用も提案。フライの衣にすると、ザラつきがなく驚くほど美味しく仕上がると言います。

試食もさせていただきましたが、おからと麹の力にどぶろくのアクセントも加わり深い味わいが生まれていました。半年から10ヶ月ほど熟成させることで、どぶろくの風味が馴染み、また味わいの変化が楽しめます。またワインを使用した味噌では、ワイン醸造家が「これをおつまみにワインを飲みたい」と絶賛するほどの逸品へと変わるそうです。

 

SDGsとのつながり:小さなアクションが地域を変える

この活動は、単なる料理の枠を超え、具体的なSDGsの目標達成に向けた「循環」を生み出しています。

目標12:つくる責任 つかう責任

廃棄費用をかけて捨てていた未利用資源に「味噌」という高い付加価値を与え、食品廃棄物を削減。さらに、地元の「豆腐工房ぽっぽ」では、自社のおからで味噌を作り、それを再び油揚げの加工品(味噌漬けなど)に使用するという、完璧なサーキュラーエコノミー(循環型経済)の実現にも寄与しています。

目標11:住み続けられるまちづくり

地域の飲食店「UNE HAUS」がランチにおから味噌を採用し、グループを招いて大規模な仕込みを行うなど、新しい産業の形が生まれています。また、保育園でのワークショップを通じて、子供たちが自分たちの手で地域の味を作る「食育」にも貢献。世代を超えた地域の誇りを育んでいます。

 未来への展望―長岡から世界へ

新原学長は、この活動の先に「お年寄りが尊敬されるまち」という大きな夢を描いています。「長岡の高齢者は、苦労もバブルも知っている、誰よりも経験豊かな宝の持ち主」と語る新原さんは、長岡にはおからの他にも、「未利用の宝物(廃棄物)」が眠っていると言います。この課題を一つひとつ解決していくことが、長岡が世界中から人が集まる魅力的なまちへと変える鍵になるかもしれません。

現在は第1期生が活動中ですが、第2期、第3期と進むにつれ、この教育システムを日本全国、そして共通課題を抱える海外へも展開したいという夢も。「70代、80代、90代になってもやることは山ほどある」という新原学長の言葉にもあるように、いくつになっても活躍できる人を育てる100歳大学院にも期待が高まります。

あなたも「長岡100歳大学大学院」の仲間になりませんか?

廃棄されるはずだったおからに新しい命を吹き込み、美味しい笑顔の連鎖を作る。そんな長岡100歳大学大学院の挑戦は、まだ始まったばかりです。

「自分にも何かできるかも」と興味を持たれた方は、ぜひその一歩を踏み出してみてください。現在、第4期生が活動しており、今後さらなる広がりを見せていきます。詳しい活動内容は当センターのホームページを検索、またはFacebookで最新情報をチェックしてください。今年中には独自のホームページも開設予定とのことです。

長岡から世界を変える「宝探し」。
あなたもその一員として、一緒にワクワクする未来を創りませんか?

✲4期生(9月入学式)募集情報は下記までお問い合わせください。
長岡100歳大学院 事務局
電話:090-8853⁻7607(小熊)
Email:nagaoka100sd@gmail.com

 

取材の様子はYoutubeでもお楽しみいただけます!ぜひご視聴ください。