2020.12.07

心に残り続ける楽しい体験を!川口を好きな人が少しでも多くなるように|覚張裕香さん

市民活動に取り組む団体は、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ピンチの時にはスポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っています。それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。では、実際にどんな人がどのように活動に関わっているのでしょうか。活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。

 

今回ご紹介するのは、好奇心旺盛なアイデアウーマン覚張裕香さんです!


覚張裕香(がくはりゆか)さん
特定非営利活動法人 くらしサポート越後川口
1984年東京都生まれ。2015年、夫の祖父母が住む川口に家族で孫ターン。川口きずな館では、施設管理者として働いている。


 

心に残り続ける楽しい体験を!川口を好きな人が少しでも多くなるように|覚張裕香さん

 

やりたいことがあると、まずは口に出し、次々とアイデアを形にしていく覚張裕香さん。東京都出身の覚張さんは、2015年に夫の祖父母が住む川口に家族で孫ターン。当初は方言をうまく聞き取ることができず、耳を慣らすためにお茶飲み場となっていた近所の商店に毎日顔を出すことで徐々に地域へ溶け込んだそう。

2017年、子どもの保育園入園を機に、特定非営利活動法人くらしサポート越後長岡が管理する中越メモリアル施設の川口きずな館で働き始めました。最初は来館者の受付業務の担当でしたが、「興味があると、色々なことに手を出しちゃうんです」と、担当を超えてイベントの企画運営をするようになりました。例えば、川口で親子で思いっきり楽しめるイベントがほしいと「巨大段ボール迷路を作ろう!遊ぼう!」を開催。「やってみると好評で、次回のリクエストを多数受け、それが自分の中で自信になりました」。

ダンボールや身の回りの物を使い、「作って、遊んで、壊す」が親子で楽しめる2日間のイベントです。

そんな覚張さんの活動の転機になったのは、2019年に台風19号で被災した長野県へのボランティアに参加。初めて見る被災地の実情に自らの防災の知識と備えの不足を実感し、「防災が身近に感じていない人にも、自分ごとにできるきっかけを作りたい」と思うようになりました。そこで、参加へのハードルを低くするため『あそびから学ぶ防災』をテーマに防災が体験・経験できるように、段ボールクラフトや防災キャンプを企画。今後は、川口きずな館で独自の防災学習を展開するために防災士の資格取得を目指しているそうです。

覚張さんが最近うれしかったことは、イベントによく参加してくれる子どもから「がくちゃんみたいな仕事がしたい」と言われたこと。「子どもの頃の楽しい体験は記憶として残る。川口が好きで川口に居続けたいと思う子どもが増えるように、20年、30年後に向けて種蒔きをしています」。蒔いた種がどのような花を咲かすのか、今から楽しみです。

 


本記事は、らこって2020年12月号でご紹介しています。