2021.11.04

人々が楽しく暮らすまちをつくる“豊かな”時間 | 稲垣 仁美さん

地域をよくするウワサのあの人にインタビュー!毎月、市民活動に取り組むプレイヤーをご紹介。活動に関わったきっかけや、どんな役目を果たしているのか伺う中で、活動への多様な関わり方が見えてきました。

人々が楽しく暮らすまちをつくる

“豊かな”時間


稲垣 仁美さん
26歳/会社員/シェアスペースオーナー
1994年上越市生まれ。東坂之上町にあるシェアスペース「CYAN(シアン)」のオーナー。「心の豊かさ」のある暮らしを大切にしている。

足を踏み入れると最初に目に入る、両側を囲むコンクリート風に塗られたグレーの壁と、名前にもなっているシアン(明るい青)に塗られた正面の壁が印象的なシェアスペース「CYAN」。シェアスペースとは、人が集まり仕事や趣味など思い思いの時間を過ごすことで、新しい出会いを生む場所。オーナーの稲垣仁美さんは、CYANの運営を通して、訪れる人たちに心の豊かさを提供しています。
地域活動に興味をもつきっかけになったのは、大学2年生のとき、様々な地域活動に関わる先輩の影響を受け、学生団体が運営するシェアスペースを手伝うようになったこと。大学3年生になった年、運営を引き継ぎ、初めて主催したイベントが成功。「それまでは特技など自分を表現できるものが何もないと思っていましたが、自分が好きなことを発信して、それに共感する人が集まりイベントを楽しんでくれたことで、自信をもてるようになりました」。大学卒業後、転勤で移り住んだ長岡でも、好きなことにチャレンジしたいと思い、友人とイベントスペースの運営をスタート。その後、運営を引き継いでCYANが生まれました。

届けていきたいのは、“豊かな”時間。訪れる人が好きな時間を過ごしたり、自分の「好き」や新しい人に出会ったりすることで、地域での暮らしを楽しめるようになってくれたらうれしいと言います。「CYANでの時間をきっかけに、地域活動や自分を表現する活動を始める人が出てきたらいいなと思います。住んでいる場所で楽しく暮らす人が増えることが、結果的にまちづくりにつながると考えています」。
「これからも来る度に新しい発見がある場所を目指して進化し続けたい」と話す稲垣さん。自分と訪れる人の「好き」がいっぱい詰まったその場所は、今日も訪れる人にシアンの青のような晴れやかな気持ちを届けています。


本記事は、らこって2021年10月号でご紹介しています。