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更新日:2021.01.04

個人の目標から“ファミリー”の目標へ 伝統芸能の魅力を次世代につなぐ | 堀沢誠さん

市民活動に取り組む団体は、状況を整理して舵取りをする人、実行部隊として目的を着実に遂行するのが得意な人、ピンチの時にはスポット的に手を貸してくれる存在も現れたりと、色々な人が関わって成り立っています。それぞれの人たちが、自分の生活の中で活動に充てられる時間や能力を提供し、様々な形で関わっています。では、実際にどんな人がどのように活動に関わっているのでしょうか。活動を支えている「あの人」を訪ね、活動の実際のところをアレコレ伺ってきました。

 

今回ご紹介するのは、“地域や生徒から慕われる、県内民謡界の父親的存在”堀沢誠さんです!


堀沢誠(ほりさわまこと)さん
農家/堀沢ファミリー
1946年長岡市川口生まれ。28歳頃から本格的に三味線を始める。海外公演や全国大会での入賞を経て、2005年に団体を設立。


 

個人の目標から“ファミリー”の目標へ 伝統芸能の魅力を次世代につなぐ|堀沢誠さん

 

川口在住の堀沢誠さん。2005年から、自宅の作業小屋の2階にある教室で、小学校低学年から70歳以上の方に三味線や唄を教える教室「堀沢ファミリー」を運営しています。「学生さんからは月謝を頂いていません。送迎や遠征など親の負担もわかりますし、より長く続けてもらいたいですから」。

堀沢さんは、毎年青森県で開かれる「津軽三味線世界大会」に、前身である全国大会から、個人・団体と30年以上にわたり連続出場し数々の輝かしい成績を収めている。日本民謡界では知る人ぞ知る存在。そんな堀沢さんですが、功績を得るまでの道のりは決して順調ではなく、個人での初出場から入賞に至るまでにはおよそ20年もの歳月がかかったそう。念願の受賞を果たした後、堀沢さんは、次の新たな目標を立てました。それは、教え子や仲間とともに団体での入賞を狙うこと。団体の部でもやはり当初は苦戦したものの、十数年出場し続け、近年ようやく入賞できるまでになりました。

師弟関係と演奏メンバーの関係という2つの立場が共存する中で続けてきた団体演奏。堀沢さんは相手の事情や考えに寄り添いながら、練習や日々の稽古に取り組んできたことで、自らが受ける称賛よりも、生徒たちの成長やかられに対する周囲の評価を得ることが何よりもうれしいという心境に至りました。それ以降、経験や年齢などに関わらず、自信を頼ってくる人たちに献身的に指導を続けています。

川口中学校合唱コンクール(2020年11月)にゲスト出演。同校に通う生徒もメンバーの一員としてその腕前を披露しました。

地域のイベントや福祉施設などでのボランティアの演奏にも精力的に出演。川口まつりや小・中学校での演奏を依頼された際には、習いに来ている子どもを積極的に出演させてきました。「自分のことより、生徒が褒められるのが何よりうれしい。仕事や学業など、それぞれ忙しいことはあると思いますが、まずは民謡をみんなで楽しんでいきたいと思います」。

 


本記事は、らこって2021年1月号でご紹介しています。