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更新日:2021.09.03

地域復興支援と生ハムづくりに見出した 意外な共通点 | 春日 惇也さん

地域をよくするウワサのあの人にインタビュー!毎月、市民活動に取り組むプレイヤーをご紹介。活動に関わったきっかけや、どんな役目を果たしているのか伺う中で、活動への多様な関わり方が見えてきました。

地域復興支援と生ハムづくりに見出した
意外な共通点


春日 惇也さん
36歳/越後川口生ハム塾
1984年山形県生まれ。ラジオの愛聴者で、今年FMながおか内に自身のレギュラー番組を持つ夢が叶った。

春日惇也さんは「越後川口生ハム塾」を企画運営しています。参加者は生ハムのオーナーとなり、最初の製造工程である血抜きと塩もみの作業を体験。その後約1年半の発酵、熟成を経て完成となり、参加者の手に渡ります。2015年の設立から今年で7年目を迎え、県内外からのべ約500名が参加しました。
なぜ、春日さんが川口地域で生ハムを作るようになったのか。それは2004年に起きた中越地震までさかのぼります。
地震発生時は長岡造形大学に在学中でした。2007年の中越沖地震も含め、いくつかのボランティア活動に従事してきた春日さんはその後、川口の復興支援員として配属されたことで、地域とより深く関わるようになりました。
住民と話し合ったり、地域の再生に向けた事業の手伝いをしたりすることが活動の中心。少しでも地域の助けになればという一心で関わりを続けてきましたが、復興が進んでくると地域の自立につながる活動が求められ、自らの置かれる立場に悩む時期もありました。

震災から10年目を迎えたとき、支援員である自分たちも地域の中で楽しめることを始めたいと考えるように。そこで、ジビエ(野生鳥獣の食肉)の取り組みをきっかけに出会ったシェフの助言で、「越後川口生ハム塾」を始めると、参加者や協力者とのつながりから他地域でのイベント出展、コラボレーション事業などが多方面に広がり、多様な交流が生まれました。「ヨーロッパにおいてハムやソーセージは日本の漬物のような存在に近く、昔は家庭ごとに作られていたそうです。集落のばあちゃんたちのお茶飲みに漬物があるように、生ハム塾の生ハムもみんなが楽しく集まるときのちょっとした話題の一つになれたらいいなと思っています」。
今年3月、地域復興支援員としての役割を終えましたが、これまでの経験とつながりを活かし、今も毎日川口に通って活動を続けています。「今後も生ハムと川口地域との魅力を組み合わせた企画をやっていきたい」と夢を語ってくれました。


本記事は、らこって2021年9月号でご紹介しています。