地域をよくするウワサのあの人にインタビュー!毎月、市民活動に取り組むプレイヤーをご紹介。
活動に関わったきっかけや、どんな役目を果たしているのか伺う中で、活動への多様な関わり方が見えてきました。
高木慎之助さん/NPO法人関原里山・ぬかやま会 自然観察指導員
1961年長岡市関原町生まれ。団体の一員として、自然学習や季節ごとに開催する里山自然観察会でガイドを務めている。
長岡市関原地区に広がるぬか山。ここで子どもたちに自然の魅力を伝え続けているのが、高木慎之助さん。
以前、ぬか山が競売にかけられることを知り、子どもの頃から慣れ親しんだ里山を守りたいと思い、里山整備や育樹植樹事業を行っている「NPO法人関原里山・ぬかやま会」への加入を決めました。
団体に加入して間もない頃、長女が通う関原小学校の4年生総合学習のテーマが隣町の川であることを知りました。「せっかく自然豊かな里山が地元にあるのにもったいないな」と感じ、担任の先生に話を聞いてもらうため、今までの自分だったら断っていたPTA役員に思い切って立候補。次女が3年生の時に、地元ぬか山をテーマにしてほしいと提案し、翌年の2008年から自然がテーマである4年生の総合学習の一環として受け入れてもらいました。

子どもたちの好奇心に寄り添いながら里山を進む、ぬかやま探検。
高木さんの熱意ではじまった総合学習「ぬかやま探検」は今年で18年目。年間4回のフィールドワークを中心にぬか山全体を案内。子どもたちが興味を持ったテーマごとにグループを作り、回を重ねながら調査を深めていきます。「学びというよりもまずは楽しむこと。私自身がそうだったからこそ、楽しかった記憶が残るよう子どもたちの自由な発想に委ねています」。
そんな姿勢が口コミで広がり、ぬかやま探検の当日には毎回保護者の方々がボランティアとして集まってくれるようになったそうです。さらに、街中で子どもたちに出会うと「高木さんだ!」と声を掛けられるようになり、ちょっとした会話が生まれる場面も。活動をきっかけに地域とのつながりも少しずつ育まれています。

春と秋に育樹植樹・自然観察会を開催。後世に残したい森を地域の皆で守り、育てています。
地域課題に気づいたとき、活動を始めるためのポイントは「自分に合ったやり方でできる範囲から始めること」。
「自分が何とかしなければ」と力むのではなく「必ずしも自分が先頭に立つ必要はない」と考え、すでにある仕組みの中に自分の役割を見つけ、楽しく続けられる方法を選びながら積み重ねることが活動の継続に大切だと感じています。
高木さんの原動力はぬか山を次世代に残したいという想い。今後は、ぬか山の魅力をより多くの人に伝えられるよう他団体とも協力して活動の幅を広げたり、将来の担い手を育てるため、子どもたちが自由に遊べるエリアを作りたいと考えています。きれいに整備された公園も素敵ですが、ありのままの自然を楽しめるぬか山に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?
こちらの内容は、Youtubeのほか各種音声メディアでもお楽しみいただけます! ぜひご視聴ください。